*** テキトー日記 (99/10/10) ***

bar Liqueur

大祭りの二日目は体育の日の祝日でもある。この日はお祭り以外にも各種スポーツ大会などがあちこちの施設であったらしく、道路は混雑して普段なら10分か15分で抜けるような伊勢と志摩を結ぶ”伊勢道路”が1時間半もかかったとお客さんが言っていた。

この伊勢道路というのは伊勢神宮の内宮から神宮神域の山あいを渓谷沿いにうねうねと蛇行してスペイン村などの志摩方面に抜ける道で、なにしろ道の両側は神宮の森林であるから人家は無し、道路も無いから当然交差点や信号も無いという、なかなか風光明媚な観光道路でもあります。

夜になってからボクもこの道を南下して鵜方方面へ。8時頃でしたが反対側の伊勢方面に向かう車線はクルマがビッシリ!ちょっとこの辺りではお目に掛かったことがないくらい渋滞していました。その理由をボクは知っているだ。4kmほど繋がった車の列の先頭はノロノロと走る軽自動車でした。

あれって面白いですねえ。この道は信号も交差点もなにも無いですから、先頭が時速40km未満程度でノロノロと走っていれば、その後ろに続く車も全員時速40km未満程度でノロノロと流れていくのかと思うとそうでもない。2kmくらい後ろの方は完全に停まってますからねえ。不思議だ。なにか方程式でもありそう。

バー・リキュールの入り口。バイオリンに注目。さて本日目指すはバー・リキュール。大まかな道順を教えてもらってたのですが、実は到着するまで店の名前も覚えていなかった。んでもなんとかなっちゃうのがローカルの店数の少なさよ。わははははは。

ご覧のように入り口にバイオリンがオブジェと化しておりますが、これは店内も同様でカウンター向かいの壁面には中央に大きな絵、左右にはバイオリン、さらに左手壁面にもバイオリン、と装飾小道具としてのバイオリンがなかなか良い雰囲気を醸し出しております。

他にも沢山のボトルの間には面白い小物やオモチャがゴチャゴチャと配されていまして、これは下手をすると、あるいは方向をちょっと間違えるといわゆるスナック方面に成りかねないという可能性もホンの僅かあるものの、店内のレトロ狙いの雰囲気と食事の無い純粋なバーであるという店だけが出来る照明の暗さとがあいまって良い雰囲気の空間でありました。ここの照明ですが、調光をかなり落としたカウンター上のダウンライト、カウンター上に置かれた絵柄つきのボール照明、カウンターの上の小さな花瓶を狙った天井からのミニピンスポット、カウンター席の後ろの天井にはレトロな大正時代の病院などにありそうな照明器具、う〜ん、光の演出が良いなあ。

アコースティック・ギターが譜面台とともにスタンドに立て掛けられていたので、ギター弾くんですか?とバーテンダー氏に聞いたら「いやぁ、ちょっとだけ」ということでした。しかし目立たないところにはクラプトンの写真が貼ってあった。もっともその時BGMで掛かっていたジョー・パスのことはぜんぜん知らないみたいだからジャズ方面の人ではないようだ。音楽と言えばここもジャズを掛けているんだけどこれもなかなか良い音で、しかもちゃんとトイレの中にもスピーカーが付けてあって、中でもサウンドが流れるようになっているというのはトイレ音遮断対策でもあるのかな。結構いろいろなところにこだわりも感じられる居心地の良い店でした。

この店を紹介してくれた人のハナシだとバーテンダー氏は東京のバーで修行してきた人だそうで、まだ若い(20代後半?)んだけどなかなかハンサムで女性客のファンもついていそうな感じでした。4年半前に出来たそうですが、これからバーテンダー氏に渋みが加わってそれが店の雰囲気にも反映されると思うし、そうすると今後が楽しみな店でもあります。という訳でここはボクのお薦めナイトスポットとなりました。

つづく

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