近鉄宇治山田駅
こうして写真にしてみるとターミナル駅の風格が漂う近鉄宇治山田駅である。1931年の建造でなかなか欧風で重厚な建築物だ。
ここはボクの子供時代からの遊び場所でもあったところで、当時はまさしくターミナル駅、つまり近鉄の終着駅であった。今はここからさらに鳥羽・志摩方面まで延びているんだけどね。
写真右手の駅建物の奥のほうがひときわ高くなっているが、これが当時は駅に隣接した、いや、駅内部に併設されていた消防署の火の見櫓でもある。小学生の頃は勝手にあの高いところまで上っていったりしたものだ。
上には見張り当直の消防署員さんがいたんだけど、邪険に扱われたことはなく、いつも遠くまで見える展望台のような一角で遊ぶのを許してくれた。だいたい外部の者があそこまで登るには、そもそも近鉄の駅の中に入らなければ行けないのだが、子供が勝手に駅構内に出入りするのを誰も見咎めたりはしなかった。
そういえば当時、これも近くにある国鉄・伊勢市駅では蒸気機関車を間近に見るために、やっぱり駅構内に勝手に入り込んで遊んでいたのだが、これも誰にも叱られたりしたことはなかったぞ。いい時代だったんだなあと今更ながら実感するなあ。