これは同日のつづき。まだ自転車で走っている。時間は午後の真ん中あたり。今まで見てきた海岸線が最初の桟橋以外は海水浴を楽しむ砂浜のビーチか、波が立つサーフポイントが交互に現れたのに対し、ここはがらりと様相が変わってアラワイ・スモールボートハーバーになる。スモールボートとは言うけれど、そばまで行ってみれば分かるのだけど決して小さいということではない。日本でいうところのヨットハーバーのことだね。
ここもなかなか素敵な景色が広がっていたが、この写真の右端を奥まで入っていくと再び波の立つサーフポイントがあって、サーファーたちが沢山いた。さてこのポイントを過ぎると次第にホテルが海岸線まで迫ってきていて、自転車で海岸線に沿って走るのが難しくなってくる。むりやり走っているとそのままどこかのホテルの敷地内に入ってしまう。気が付けばワイキキのビーチとホテル群のところまで戻ってきていたのでした。
自転車は5時半までに返却することになっていて、時計を見ればすでに4時半。充分堪能したので自転車を返しに行くことにした。ワイキキ界隈は一方通行が多いので逆走しないように気をつけてレンタルバイクショップに戻ったら、ボクの顔を見るなり「わーー、焼けましたねえ」と言われてしまった。
どこまで行ったんですか?と聞かれたから今日のコースを説明したら「結構走ったんですねえ」だって。まあ距離はそんなに無いと思うけど時間にして6時間くらいは走ったからなあ。でもとても気分の良い過ごし方でした。ありがとう自転車、ありがとうホノルル。
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さて夜はいったんホテルに戻ってからハワイアンるるぶお勧めの「ノースショアの味がホノルルで食べられる!ガーリックシュリンプならここが一番!」というお勧めのところへ食べに出た。再びフロントでクーポンを切ってもらって出かける。今日の場合は$11.5のところが$2サービスとなるからだ。
地図を片手にホテルから歩いていったら場所は分かったがちょうど誰もお客がいない。注文してビールは?と聞いたらABCストアで買って来いと言う。んじゃあ買ってくるから作っといてね、てな感じで1ブロックほど離れたABCストアまで缶ビールを買いに出た。買ってから戻ったら、あ〜らら、いつの間にこんなに増えたのだというくらいお客がいる。ボクのは出来てる〜?と声を掛けたら、笑顔で渡してくれた。ランチパックみたいな容器に入ったスパイシー・ガーリック・シュリンプ。エビだけでも11匹入っていた。他にはとうもろこしとグリーンサラダとご飯とトーストが入っていて、これ全部食べたらお腹いっぱい。
食後は再びワイキキの目抜き通りのカラカウア通りへ。たまたま今夜は「Waikiki by Moonlight」というお祭りで通りはホコテンになっていた。いつもに増して大勢の観光客、ジモティで通りは大賑わい。コンサートなども開かれていて、さすがはアメリカだと思ったのが、こんな場所でもちゃんと観客用の椅子がいっぱい用意されていることだ。立ち見とか道路ベタ座りとかを要求しないのだよね。椅子ですよ椅子。もっともそれでも座れない人は立ったり地面に座ったりしているが。
大道芸もいつものようにあれこれやっていたがボクが足を止めたのがこの写真のスティールパンのプレーヤー。この手前でやっていたドラムなんかははっきり言ってヘタクソだったが、このパンプレーヤーは違う。上手い。(左側の黒人ね)
熱心に聴いているアメリカ人が居て彼が古い曲をリクェストするとこのお兄ちゃんがなんとかメロディを思い出しながらやろうとする。でもボクも知ってたりするので、そのアメリカ人と二人で。違う違う、ああだこうだと口を挟んだりする。そんなことして遊んでいたが、そのうちプレーヤーの黒人兄ちゃんが美しいメロディを奏で始めた。ん?これは何というタイトルの曲だっけ?とそのアメリカ人に言うと彼もメロディは知ってるがタイトルは何だっけなあ〜?になって、そのプレーヤーに聞いた。そしたらプレーヤーも「んんと、ええと、あーー、タイトルなんだっけなあ?」三人でああでもないこうでもないとやっていたら通りすがりの別のおばちゃんが「え?なに?タイトルわからないの?どれどれ」といいながらしばらく耳を傾け言った。「ドクトル・ジバゴ!」
三人とも大喜びで、わあ、そうだそうだ!と受けた。その後、プレーヤーがラテンの曲を弾き始めたのでボクがハンドクラーベで応じたら、だんだんと彼がノッてきて、今まではメロディだけだったのにここからアドリブでガンガン叩き始めた。しかも叩きながらボクの目をジッと見つめる。む!本気だなと思ったボクもクラーベがふらつかないようにしっかりとキープする。二人でセッションの形になったわけだけども、こういうのはちゃんと周りの人にも伝わるものでたちまち大勢の観客に囲まれてハンドクラーベも止めるに止められない状況になった。ようがす、いいとも、付き合いましょう。。。。
で結局、彼のほうがエンディングらしき気分になってリット(リタルダンド)して終わった。ホントは3-2クラーベで終わって欲しかったけどね。観客は大喜びで彼の楽器ケースには沢山の1ドル紙幣が入っていった。ボクは遊ばせてもらったお礼も兼ねて5ドル入れてきたが、これも面白い経験だった。
今宵は早い時間にホテルに戻ったのでホテルのテラスから夜のワイキキビーチを見ながらパンツいっちょうでホテル下のABCストアで買ってきた白ワインを傾ける。肌に海風が心地よい。持っていったmp3プレーヤーでブランフォード・マルサリスの演奏するBody
and soulなんぞを聴きながらハワイ最後の夜は更けていったのでした。