今日は午後のバイトが入っていたので出かける前に病院へ寄った。ちょうど朝の回診の時間だったので先生に少し尋ねてみたが、むしろ今の容態が安定しているということだった。つまりボクの解釈で言うと、闘病を止めて老衰に入ってからは安定が続いているということになるのだけど。
ただそれでも、容態が急変することは充分有り得ますと言うので、出かける前に父さんに「今日は夜まで出かけるから帰ってくるまでは元気でいてね」と話しかけておいた。いや、よそ行きの言葉は止めよう。本当のことを書くと「今日は夜まで出かけてるから、今日逝くのは止めときなね」と語りかけた。特に反応は無いのだけど、医師も看護士さんもこういう場合の患者は聴こえているというし。
握手してから出かけようと思って手を握ってみたら、思ったよりも手のひらが温かい。ボク流に言う闘病期の最後のほうはもう手足が冷たくなりかかっていたのに、今のほうが温かくなっている。ついでに脈も診てみたが不整脈だったはずなのに正確に力強く脈を打っている。これなら安心と心配せずに出かけた。
帰りも病院にまっすぐ直帰したが、朝と変らない様子で父が寝ていた。付き添っていた母に聞いたら昨日よりもゴソゴソと良く動いたそうだ。昨日は自力で寝返りが出来ず、手足をしきりに動かすのできっと寝返りを打ちたいのだなと察知してボク達が体の向きを変えるのを手伝ったのだけど、今日は自分で何度も寝返りを打っていたそうだ。