by XR18-200mm
抹香臭い、なんて言葉がありますが、ボクはお香の匂いは好きな方です。墓地なんかで漂ってくる匂いには、まるで蚊取り線香のような臭いものもありますが、お寺の本堂なんかに漂っている白檀や栴檀?よく知りませんが、ああいう匂いは大好きです。なので京都なんかのお土産屋さんで、お香やら匂い袋やらがアレコレ入り混じって醸し出す店内独特の濃い匂いをかぐのも好きです。
そんなボクなのでお香はもちろんのこと、その海外版のincenseやアロマキャンドルなども好きですが、一部の強力に人工着色ならぬ人工着香されたものだけはちょっとパスですね。あれは原色のクレヨンみたいで香りがベッタリし過ぎている。香水の匂いを嗅ぐのは好きだけど、よくあるトイレやクルマの芳香剤は勘弁してほしいというのと似てますね。
この匂いの話題で思い出すのが、前にも書いたけど、レコードスプレーの甘い匂い。あるいは甘かったように感じたレコードスプレーの記憶。ボクが中学一年生の時で、畳の上にポータブルレコードプレーヤーをセットし、今から聴こうとするレコードにまずはスプレーを振りかけて、細身のチョーク消しのようなレコードクリーナーをレコードの溝に沿って1周か2周させます。それからおもむろにピックアップをレコードの一番外周部分の溝に置くのですが、その時必ず漂っていたのが、あの甘いレコードスプレーの匂いでした。こうまで鮮明に匂いが記憶に残っているのは、掛けてる音楽をもっとよく聴こうと、畳に寝そべったままアタマをプレーヤーに近づけていたということでしょう。つまり使ったばかりのレコードクリーナーの匂いを嗅ぎながら音楽を聴いていたということでもあります。しかしこれがほぼ半世紀も前の出来事とは思えない。