*** テキトー絵日記 ***

2013/07/30(火)

「終戦のエンペラー」

久々のシネコン by X10

ここしばらく映画館に足を運ばなかったのは見たいと思う映画が無かったからだ。その重い足を久しぶりに上げたのは、ちょっと予告編を見ただけで、うん、これは観たい!と思った映画があったからだ。「終戦のエンペラー」←公式サイトにリンクしてます。


映画内の写真(本物のマッカーサーと天皇ではない)

日本の戦争責任を天皇に問うべきか否か。この極めて重いデリケートな問題をこの映画は正面から捉えようとしている。開戦に際し天皇は具体的に関与したのかと論理的に解明しようとするアメリカに対し、devote(信奉)dignity(品位)といった言葉で日本における天皇の立場を語る日本の重臣たち。

メイキング映像の中で西田敏行が語っていたが「まるで日本人が書いたのではないかと思える脚本」というとおり、日本人の心性とか、天皇に対する思いなどが、白か黒かで片付けられる問題ではないというところまで見事に描かれている。またこの映画はほとんどがニュージーランドでのロケとのことだが、終戦当時の日本の様子を丁寧に映し出していて、映画を見終わって自宅で調べるまで、本当にアメリカ映画なのかと半信半疑だったほどだ。皇居内で撮影が許された初の映画ということでも話題になったそうだ。

主要キャストは公式サイトで見てもらえるが、この映画が重厚な仕上がりになったのは素晴らしい俳優陣たちのおかげだと思うのでここにも明記しておく。
・マシュー・フォックス - ボナー・フェラーズ
・トミー・リー・ジョーンズ - ダグラス・マッカーサー
・初音映莉子 - 島田あや
・西田敏行 - 鹿島
・羽田昌義 - 高橋
・片岡孝太郎 - 昭和天皇
・伊武雅刀 - 木戸幸一
・夏八木勲 - 関屋貞三郎
・中村雅俊 - 近衛文磨
・火野正平 - 東条英機
・桃井かおり - 鹿島夫人

中でも今年亡くなられた名優、夏八木勲氏のご冥福を祈る。

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