*** テキトー日記 ***

(2000/08/18)

喜寿の誕生日プレゼント

とはいってももちろんボクのことではない。喜寿っていうのは77歳のゾロ目おめでとう誕生日のことなのだ。だからこれはボクの父親のこと。しかしなにか気の利いた物をプレゼントしようと思っても、それがなかなか思いつかない。

一つにはそういう年配の男性がもらって嬉しいだろうなという物の想像がつかないってことがある。ジュニアだったら自分も経験している歳だからある程度は想像がつくんだが、77歳となると果たして何をもらえば嬉しいのやら?

趣味のものなら嬉しいと思うが、あいにくボクは将棋のことはさっぱり判らないし、釣りもしない。だいたい趣味の共通点はないのね。文房具は昔から好きだった父親なので、近くの百貨店の文具売り場でネチっこい眼をして探してみるが、いまさら万年筆でもないだろうしなあ。

親父は近所に住んでいるのだが、同居という訳ではないので日々の細かい状況まではボクは知らなかったりする。そこでちょっと裏から手を回し近況などを探ってみると、将棋クラブの老人会みたいな世話役になったばかりで、最近はパソコンで名簿作りや対戦組み合わせ、その結果などをプリントアウトしていることが判った。

それならばその書類を持ち歩くバッグも要るだろうと思って、A4サイズの入るメンズバッグをプレゼントすることにした。これなら近所の百貨店でも売ってるしね。

ブランド物でもないのに、布バッグでも革のバッグよりも高いものもあるんだなあ、なんて今さらのようにちょっと驚きながらも、やはりここは自分の趣味でもある革らしい革のバッグにする。これをプレゼント用に包装してもらったのだが、A4サイズのバッグを箱に入れ、包装してリボンを掛け、さらにデパートの手提げ袋に入れてもらったら巨大なものになってしまった。

案の定、このサイズを見て、「な、なにをくれたのだ?」と驚いた父親であったが、包装を解くときの何も言わない背中がとても喜ぶ様子を見てとれた。母親いわく「バッグを持っていないのでちょうど欲しいと思っていたところなのに、よく判ったなあ」だそうで、今回の作戦は成功であった。