レッスンの生徒さん
サックスのレッスンに通ってくださる生徒さんの一人で、Nさんはもう10年以上東京で先生について習っていた人で、教則本や資料やマイナスワンなどの教材はドッサリとお持ちの人。
しかし一番肝心だと思う、音を鳴らす、楽器を響かせる、ハートを歌う、などということは結構おろそかになっている。その代わり理論的な理解や、コード、スケールといったようなことはよくご存知だし、そういったテクニカルなことは音に出して演奏もできる。
聞けばクラシックのエラい人について習っていたそうなんだが、教わったことというのが、ボクに言わせるとずいぶんと教条的な感じのするようなことばかり。
教則練習のための練習ばかりしてませんか?とボクが聞いたところ\\(^
ギク!^)//だったみたい。そこで山下洋輔さんの言葉。
「ジャズてぇヤツはずいぶんといい加減なもんでしてぇ」
こんなことを毎週のようにレッスンの度に言い続けていたんだが、そしたら急に吹っ切れてきたみたいで、ソロを取れるようになってきた。「テクニカルな練習を繰り返しても音楽は生まれてきませんよ」という言葉も効果があったみたい。
「もうそろそろいいんじゃないですかぁ?」とボクが言うと、「あ、先生(ボクのことね)、そんなこと言わないで、もっと教わりたいですから。」とおっしゃる。でもねぇ、もうボクなんかよりもよっぽどコードチェンジ感を演出したソロが吹けてますよぉ。あとは音そのものをもっと鳴らす、響かせる、その結果として音に訴求力を持たせる。説得力のあるソロを聞かせるということを心がければいいだけだと思うのですけどねえ。
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