バレエ鑑賞第二弾
は、昨年のトロカデロ・デ・モンテカルロに続き、本格的バレエ公演「眠れる森の美女」全三幕四場。6時半開演の途中で2回の休憩を挟みながらも終わりが10時という長丁場のもの。
オペラと大きく違うのは歌がない。セリフもない。踊りだけでハナシを続けようとする。そりゃ当たり前だけど。ついでにこの種のものは当たり前なのかどうか知らないのだけど、観客にはお子ちゃまが多い。ほとんど、いや、お子ちゃまの全てがお嬢ちゃま達。
だからお子ちゃまのママちゃま達も多い。時代感覚を無視したようなお洋服も多い。フリル指数が高い。トロカデロには子供はいなかったから「眠れる森の美女」はこの子たちの良いお手本なのだろう。
で舞台ですが、大道具や衣装など結構きらびやかだったり凝ってたりします。おまけにおチャイコさんもこの作品においてははみ出すような冒険的、意欲的音楽作品とは縁が無いようで、実にスムーズに、言い換えれば踊り易い曲を提供しています。
踊り手さん達は、これはナニカの発表会?と思えるほど皆さんが順番に踊ります。踊ったり踊らなかったりして意表をつくというようなことは全然考えません。あるのは集団で踊るか個人で踊るかでして、だから今あなたの目の前にある舞台の上にいる人たちは皆さんが順番で踊ります。皆さんが交代で踊らなければハナシが次に進みません。これがちょっとカッタルイのよねえ。
おまけにこれを観ているボクはといえば、風邪引いてアタマがボーとしてますから、全体をボーとして感じているだけで、決して個々のプレイヤーに対して真剣に鑑賞している訳ではりません。
でいきなり結論。「古き良き」という枕詞がありますが、これは確かに19世紀のエンターテイメントなんでしょうねえ。モダンバレエというものが生まれた背景でもあるというのが良く判りました。
一昨年のお正月世界同時ライブ映像で見せてくれたウィーン国立バレエ団の皆さんが演ってくれたような、大人向けのスキャンダラスな匂いがプンプンする、しかし伴奏はオーソドックスなヨハン・シュトラウスのウィンナー・ワルツみたいなバレエと音楽はどこかで観れないものでしょうか?
(この時はバレエだけは別会場というか、キンスキー公の冬の宮殿とかだったりして、男のダンサーはスーツだったりタキシードだったり、おまけにスキンヘッドやリーゼント風もあり、女はイブンニングドレスで踊ったのですよ〜。もちろん振り付けも個性的なものでしたが、あれはもうすでにモダンバレエの世界なんでしょうね)
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