*** テキトー日記 ***

(2001/06/09)

ツバメの巣

ボクをタイムスリップさせてくれたツバメの巣

今朝の出勤途中でこんなものを見つけた。

ちょっと逆光が強いのでデイライトストロボを焚いたが、ちゃちなデジカメ付属のストロボなので見にくいかもしれない。

ツバメの巣と、まだ巣立ち前のベイビーたち。これを見ていたら一瞬にしてボクが子供時代の家の様子を思い出してしまった。

小学校の低学年まで住んでいた家は玄関のところには庇があって、そこには毎年必ずツバメが巣を作っていた。

ツバメが巣を作るとその周りはフンで結構汚れると思うのだが、どういう訳かツバメの巣を払おうとはしないみたいだ。これがハトやカラスなら皆さん嫌がるに違いないのにね。どうもツバメが巣を作ると、その家に幸運が舞い込むとかいう民間信仰?と関係あるようだ。

子供時代の家は引き戸の玄関を入ると割りあい広いタタキがあって、そこには犬のコロがいた。喧嘩っぱやいがボクにはよくなついてくれた犬だった。ボクは犬が大好き。自分ちの犬だけでなく、近所の犬のところにもよく巡回して遊んだ。

そのタタキは夜は外に置いてあった自転車を仕舞う場所でもあるのだが、これが今風な自転車とは大違いでゴッツイ荷物用の貨物自転車という感じだった。でもボクはこれで自転車に乗ることを覚えたのだった。友達はもっと華奢な自転車だったり、裕福なおうちは子供用自転車を持っている子もいた。

それから玄関左手がトイレで、もちろん水洗ではなくて、台風の夜などは一人でここに入るのがコワかった。あ、夜遅くトイレに入るときもコワくて、部屋にいる両親と大声で話し続けながらトイレ、いや便所と言ったほうがピッタリだな、に入ったりしていた。

部屋はこの頃の家屋にしては天井が高かった。これは家が店舗併用住宅だったせいもあるのだが。その高い天井裏では毎晩ネズミが走り回ってうるさいくらいだった。しかしアオダイショウも住んでいて時々、天井裏で繰り広げられる弱肉強食の世界をサウンドで実況中継される様子にドキドキしたりもした。

普段の蛇は天井を擦りつけるようにゆっくり移動しているのだが、ネズミを捕獲する時だけはビックリするくらいの速度で移動する。ある時の大掃除で天井裏から、このアオダイショウのものと思われる抜け殻が発見されたのだが、抜け殻を天井から床まで垂らしても、まだ余りがあるという長さだったから、相当の大物だったみたいだ。一度ボクの家の軒下から隣の家の軒下へと空中を移動するこの蛇を見たことがあるが、相当長かった。

蛇といえば、まだ井戸水を使っていた台所で真っ黒な蛇がトグロを巻いていたのを思い出す。普段、アオダイショウなどは全然コワがらない家の人もこの時ばかりはコワがって、台所のアチコチに火のついたタバコの灰皿を置いた。タバコの煙を嫌がるからだと言っていたけど、考えてみれば、蛇を退治するつもりははなから無いのだ。どこかヨソへ行ってちょうだいという態度ね。昔のほうが自然と共生する態度を持っているなあ。

ずいぶん田舎か山の中みたいな生活に思われるかも知れませんが、これが昭和30年代の宇治山田市(伊勢市の前身)の駅前の商店の様子なのでした。

テレビは当然シロクロ、それでもテレビを置いている家はまだ少なく、国民的人気だったプロレス中継の時などは家の中に知らない人がいっぱい座ってテレビを見ていた。親に聞いても知らない人だと言っていたから、まぁ実にノンキなものですねえ。駅前には街頭テレビというものもあったぞ。

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