ここは以前は銀行の支店があったところだ。バブル経済の頃はね。バブル崩壊後も出張所扱いで規模をうんと小さくした、それでも数人の行員が勤務する金融機関だった。それがいつの頃だったか、完全にCD機械だけになり、まだある、最初は3台入っていたCD機なのにそれもいつの間にか2台になってしまった。これが地方都市の駅前の現実だ。とはいえ伊勢市駅前の場合は三重県内でも特にひどいようだ。こんなに地盤沈下の激しい駅前はそんなにあるもんじゃないと思う。
三重県でも鈴鹿から北にかけては地元の中小企業でも景気回復が実感できるようになってきたと言うが、逆に言うと松阪より南はまだまだ景気が良くなってきたとは実感できないのが現実のようだ。ここでも南北格差がはっきり出ている。
ところでこのCD機、確かに窓口を通すよりも早いし便利なのは認める。だいたい最近の銀行はちょっとしたことでもまず整理券を貰って、それから自分の番号が呼ばれるのを待ってその後やっと本題に入れる。あれ嫌いというか思いっきり面倒なんだよね。だからボクはなるべく小さい銀行に行くことにしている。銀行に入ったとたん「いらっしゃいませ」とか帰るときに「ありがとうございました」なんて聞こえるのはとっても嬉しいじゃないか。窓口嬢と短いながらも会話しながら用件を済ますのはCD機よりもはるかに潤いのある生活だと思う。