*** テキトー絵日記 ***

(2006/09/29)


スペイン旅行四日目

メスキータ内部の円柱の森。実際はもっと暗い

コルドバ観光の目玉はなんと言ってもこのメスキータ(旧回教寺院)だろう。最初にこれが建てられたのが西暦785年、その後も権力を握った王が増築を重ねたが1236年になってイスラム教徒を駆逐したキリスト教徒はこの幻想的なイスラム寺院の中央部を巨大なキリスト教会にしてしまった。つまりここはその時代の権力を握った人が自らをアピールする建物になっていたのだ。

この円柱の森と呼ばれる部分は言葉通り数百本からなる柱とアーチで出来ており柱は一本ずつ違う種類の大理石で出来ているので色や柄がそれぞれ違う。アーチ部分の縞模様は白い石灰石とレンガが交互にはめ込まれていて不思議なムードを醸し出す非常に手の込んだ建築となっている。床は全て大理石。イスラム寺院としては世界最大級だそうだ。しかしここもすごいがその中央部を壊してまで建て替えたというキリスト教もすごい。何がスゴイってそのやりかたの悪どさもさることながら、作ってしまった中央部にそびえ建つ大聖堂のものすごい荘厳さ。天井の素晴らしさ。はっきり言って写真では再現できない。



もっと広角レンズが欲しい〜

横に広がるイスラムに対して縦方向に広がりを見せるキリスト大聖堂。絶対に意識して造っていると思う。それにしてもこの全然違う二つの寺院/教会が一つの巨大な建物になっているのだから驚きというほかはない。

午後はこのコルドバを後にして130キロほどに西に移動しグラナダに入る。途中目に入るのは遥か彼方まで続くオリーブ畑。バスの窓から見える範囲が全てオリーブなんていう景色もざらにある。オリーブでない場合はブドウの木だ。日本のように棚にしない。低木のまま育てる。雨が降らず乾燥し高温になるので地面がいつも殺菌状態となって低いままでもカビたり腐ったり菌が付いたりしない。ちなみにレストランでは水(500ml)もビールもグラスワインもだいたい同じ値段。2EUくらい。行った時はユーロ高で1EU=153円。なので水もビールもワインも300円くらいとなる。日本から見ると物価高だ。



グラナダ観光ではこのアルハンブラ宮殿が一番。

確かに有名なのはこの宮殿。でも有名な「アルハンブラの思い出」というギター曲はここの隣にあるフェネラリーフェ庭園が発想の元になった場所だそうだ。それは行ってみたらすぐに分かった。水に乏しい砂漠に住むアラブの民にとって水は宝石に等しい高価な安らぎを意味するものだ。そしてアルハンブラ宮殿ではもちろんのこと、フェネラリーフェ庭園ではさらに輪をかけてこの水が流れる様子を大事にしている。

ここまでくると確かにあのギターのトレモロがこの庭園での水の流れる音と自然に重なって頭の中で響いてくるのだ。タルレガはこの水の音をモチーフに名曲「アルハンブラの思い出」を作曲したという説明はすごく自然に納得できる。

**** 一口情報 ****

コルドバは皮の細工品が名産です。それも堅くて丈夫な馬皮。
英語でコードバン(cordovan)と呼ばれる馬の皮製品はここの地名コルドバ(cordoba)がその元だそうです。

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