国道から脇道に入ったらこの看板に出会った。画面右手にはとおってもレトロで昭和チックなピンク映画の上演館がある。入り口にはベタベタとピンク映画のどぎついポスターが貼ってあり、他にも「しめきり」「入り口」「朝11時から夜9時45分まで上映中」など手書きの案内が入り口前面のガラスのあちこちに貼ってある。しかも建物正面はレトロなタイル貼りの壁面だ。いいなあ、レトロだなあ。一瞬にして70年頃の新宿駅の南口界隈を彷彿とさせる気分になった。
昔はピンク映画と反権力闘争みたいなのが妙に接近していて、学生運動と言われた各セクトがアジ演説を盛んにやっているような大学の学園祭で、オールナイトのピンク映画上映会があったりしたもんだ。
アングラ、ベトナム戦争、反戦フォーク、ヒッピー、70年安保、学生運動、内ゲバ、こういったキーワードになぜかピンク映画という言葉も同調してくる。そしてもちろんジャズ喫茶やモダンジャズも忘れてはならないのだけどね。
そんなことを書いていたら、過激派学生と機動隊の衝突現場近くで、流れてくる催涙弾の煙から逃れようとしたことなんかを思い出してきた。大通りではワアーという叫び声と共に学生と機動隊が壮絶な衝突になっているのに、通り一本裏のジャズ喫茶では平穏にコーヒーを飲みながら大音量のジャズを聴いていたのだからなあ。