ミゲル・アンヘル フラメンコ舞踊団の公演を観に行ってきた。基本的にフラメンコはバールで見るもの/聴くものと思っていたが、このミゲル・アンヘルというダンサー兼振付師はそれを舞台でのスタイルにアレンジして自分が率いる舞踊団で成功させた、という人らしい。
公演は一部がいかにも舞台向けの振り付けとなっていて、う〜む、ボク的にはなんだかあまりフラメンコらしくない。そりゃ志摩スペイン村で観た中途半端なショー形式のフラメンコよりはよっぽど素敵だけど、それでもこういう形式ならばもっと沢山のダンサーが要るんじゃないかななどと思ってしまう。ちなみにリーダーを始めとする男性のダンサーが3人、女性ダンサーも3人の合計6人で踊る。後ろの楽隊はパーカッション、男性歌手、女性歌手、ギターが二人の計5人。
休憩を挟んでの二部はホールの舞台上にバールが出現したという設定の作りで、やっぱこうだよなあと納得。さてこの公演のボクの印象だけど、女性のダンサーには感動がなかったし、サブの男性ダンサーもしかり。下手とか不満があるわけではないのだけど、なにしろフラメンコに関してはボクが今までに何度か素晴らしい踊りを見ているので簡単には感動しないだけだ。ロマの一座が伊勢志摩のホテルでやった公演とか、今は無き大阪のエル・フラメンコのバールで観た一座とか、去年スペインはセビージャで観たショーとか、フラメンコは好きなのでね。ただミゲル・アンヘル本人のダンスとタップの部分はやはり自分の名前を冠するくらいで大変素晴らしかった。しかもこれがかなり長い時間を受け持つのでありゃ相当な体力が要ると思う。
バックの楽隊だけどパーカッションが面白い組み合わせだった。基本的にはカホンなのだけど、これにジャンベやハイハットペダルを使ったウッドブロックなどを組み合わせてセットとしていた。男性のボーカルはあのフラメンコ特有の塩っぽいダミ声という感じの声で雰囲気がある。ダンスも見せた女性ボーカルも男性ボーカルに負けず劣らずの塩声系だ。ギター二人は、、、なにしろ最近のボクはジャズやラテンを聴くよりも多くの時間をビセンテ・アミーゴやトマティートの鑑賞に当てているのでつい辛口の感想になってしまうが、これは比べるほうが野暮なことは充分承知している。
公演がハネた後は食事をするにもほとんどの店が終わっていて、津での公演の後はいつもこの店に来てしまう。夜遅くまでやっていて美味しいイタリアンの飯屋さんだ。でもワインの一滴も飲まないのは残念だけど今のご時世では仕方ないね。