*** テキトー絵日記 ***

(2007/05/11)

フランスの作風

麦畑 by 10-20mm

天気は回復したが今日も北風が強く吹いている。最近お気に入りになったヤフオクの古本屋さんでまた写真集を買った。今度のはジャンルー・シーフ。この人は広角レンズが好きだったようで風景だけでなくポートレートなんかでも広角レンズを使っている。

ジャンルで言うと、風景、ヌード、ポートレート、ファッションということになるのだけど、1970年前後の広角レンズで撮った風景は植田正治と共通するものを感じるし、ヌードやファッションはヘルムート・ニュートンとも重なったりする。がテイストはちょっと違う。シーフのほうが曲線的というかどこか柔らかい。そのあたりはドイツ人とフランスで育った人との違いなんだろうなあ。

ということで、せっかくフランスのテイストということになったので恒例のクラシック鑑賞シリーズもフランス人作曲家のベルリオーズと参りましょう。

しばらく書いてなかったクラシック鑑賞シリーズ。こちらも今回は初のフランス人作曲家でベルリオーズの「幻想交響曲」を聴く。

まず第一印象だけど、とにかく今まで聴いてきたドイツやイタリアの作風と全然違うオーケストレーションだ。サウンドが違う。全体の構成の感じも違う。でもこの違いは例えば現代のミッシェル・ルグランなんかとも共通しているように思う。だからこれはきっとフランスという特性が強く出ているのじゃないかと思う。
Wikipediaによればこの作品は、「恋に深く絶望しアヘンを吸った豊かな想像力を備えたある芸術家」の物語を音楽で表現したもの。だそうで実際にアヘンを吸って作曲された部分があるのだそうだ。

昔からジャズは麻薬と切っても切れない関係にあって、かつては多くのミュージシャンがクスリに手を出したものだが、実はクラシック音楽においても作曲家とアヘンが親密だった時期があるのだねえ。

全部で5つの楽章から成っていて、確かにタイトル通り幻想的な雰囲気がある。特に導入部の第一楽章「夢と情熱」、フィナーレとなる第五楽章の「ワルプルギスの夜の夢」、」この二つがいいな。初演では第四楽章「断頭台への行進」が人気だったらしいし、いかにもなワルツの第二楽章「舞踏会」もなかなかドリーミーだ。

ミッシェル・ルグランが好きな人だったらベルリオーズもいけるんじゃないかと思う。

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