実はこのワイン、日本で発注しておこうと思ったのだ。酒は国内持ち込み制限があるし、今では液体類は機内手荷物にも出来ない。酒瓶というだけでも重いのに陶器で出来ているから余計にかさばって重い。ところが渡航前にお土産専門店に発注したところ「このワインは人気があって現在在庫がございません」というではないか。仕方ないので現地で何本か買って持ち帰ったのだけど、日本で2100円のこの赤ワインは現地では750円1000円だった。(後日訂正:750円は中瓶のほうでした。)
通貨の両替は厳密に言うと違うのだけど、現地ではだいたい1トルコリラが100円だった。観光客が立ち寄るようなところでは日本円がそのまま通じる。下手するとリラで払ったのにおつりが100円玉で帰ってきたりする。買い物はリラでも円でもドルでもユーロでも出来る。ちゃんと電卓叩いて換算してくれる。あるホテルではボーイさんが両手いっぱいに100円玉を持って「千円札と両替してください」と日本人客に頼んでいた。さすがに日本円のコインでは使いにくいからだろう。
トルコで聞いたハナシをいくつか。まず今のトルコは共和制でもちろんスルタンなどはいない。でもこういう民主的な国になってまだ84年とのこと。でも戦前の日本が充分共和的だったかということを考えるとむしろトルコのほうが民主国家としての歴史が長い。しかしトルコには現在も徴兵制があって男子は20歳になると兵役の義務がある。それと関係してるかどうかは分からないがトルコ国内を移動しているとあちこちにトルコ国旗が掲揚してるのをよく見かける。
家の作り方も面白い。といっても家屋の構造的なハナシではなくて、バスで走っていると両側に作りかけの家を何度も見た。民家だけではなくて、大きなアパートや商業ビルでさえ作りかけの途中で放置されている。現地ガイド氏の説明によればトルコではお金が用意できた分だけ家とか建物を作る。お金が足りる分だけ作って残りはまたお金が溜まるまでそのままなのだそうだ。でお金が溜まれば再びその途中から建設を続けるというもの。これすごく不思議なんだけど、実際に作りかけのまま放置してある家や建物はいっぱいあった。あんまりいっぱいあるので「あれはナンですか?」という質問がツアー同行客から出たほどだ。大きなビルなんかだと柱や床といった構造的な部分だけは作ってあるが、天井や壁や窓などはまったく手付かずのままという感じ。なんというか新品の廃墟みたいで不思議な眺めではある。
日本の2倍の面積があることは書いたが、国自体が長方形なので内陸部もそうとう長い。そのせいかバスで走っていると、オーバーヒートして路肩に駐車している乗用車を何台も見かけた。最近の日本ではこういうオーバーヒートのクルマはあまり見なくなっているんだけどトルコではボクが覚えているだけで4台も見たから日常茶飯事なのかな。
ホテルというとそのバーを試したいボクなのだけど、さっそくのイスタンブールのホテルバーで「ギムレット」と言うと通じない。では「マティーニ」と言うと通じたのだけど、なんと既製品のマティーニをドボドボと注ぐだけ。グラスもぜんぜんセンスが悪い。でもってこれが一杯18YTL=だいたい1800円もするんだからイケマセン。去年のスペインでもワインやビールは美味しく頂いたものの、カクテルなどはさっぱりダメでしたが、そういう事情はここトルコでも同じみたいです。なのでこれ以後はバー探訪は止めてワインで行くことにしました。
酒話題ということで、トルコ名物のRAKI(ラク)も試してみました。これはバーなどではなく普通のレストランでビールやワインと同じように置いてありますからきっとトルコ人にはポピュラーな飲み物なのでしょう。見た目は透明なのに水で割ると乳白色になることから別名・ライオンのミルクとも呼ばれています。アルコール度数は結構強く45度くらいあります。アラビアでアラク、ギリシャでウゾと呼ばれているものと同じで、アルコールはブドウから出来ていますがアニスの実で味をつけているのでかなり独特の風味です。まあ慣れればクセになるかもしれませんが、初めて飲んでいきなり旨い!とはなりませんでした。