ブックオフには時々掘り出し物があるのでたまにチェックするようにしているのだけど、今日も買い物帰りに立ち寄ってみたらお宝がありました。内容はクリムトと分離派といわれる人たち、及びその後に活躍するエゴン・シーレを中心にした作品集です。この本はウィーン世紀末展と題した美術館での企画展にあわせて出版されたもので、19世紀末から20世紀初頭にかけてオーストリアで活躍した画家たちの作品が上質の紙に200ページ近く掲載されています。これが450円とは破格のお値段ですなあ。。
単なる作品集と違うのは一点ずつの作品に丁寧な解説がついていることで、お陰でボクのようにウィーン絵画に対する知識の無い者でも彼らの作品を時代背景も押さえながら味わうことが出来ます。もちろんそんな予備知識は一切無しに直感で鑑賞するのもいいのですけどね。
この作品集には世紀末とエロティシズムという副題があって、特にクリムトは生、死、そして性愛といったものが作品に強く織り込まれているのが分かります。この流れはエゴン・シーレにおいても強く受け継がれていて、まだパラパラと鑑賞しただけですが、どうも身近な人の死、そしてそこから正反対に位置する生命の誕生、そしてその新しい命の生まれに繋がる男女の性愛、といったような興味の展開があるのではないかと思えました。