クローズアップ写真を撮るにはいろいろ方法があるが、基本的には普通のレンズを使ってなんとか近接撮影ができるように工夫するものがほとんどだ。これに対して最初から近接撮影時に一番性能を発揮するように設計されたレンズがあってこれをマクロレンズと言う。通常のレンズは無限遠で一番性能を発揮するように設計されているが、このマクロレンズは一番近いところで最大の性能を発揮するようにレンズが設計されている。しかもマクロレンズはそのままで無限遠まで撮影できるようになっている。
元々が文献の複写をするという必要から生まれたという経緯を持っているので、マクロレンズというのは分解能が高い。だからレンズも大きくて重くて価格も高いものがほとんどだ。例えばTamronのSP90mmというマクロレンズは銘玉として有名だし、Sigmaのマクロはカミソリマクロとまで言われている。そのくらい鋭い描写をするという意味だ。こんなので絞りを絞って女性のポートレートなんか撮ると皮膚の毛穴まで見事に再現するので女性に嫌われるのは間違いない、、らしい。
そんな厳しいマクロレンズ業界事情の中で、コシナがペンタックスにOEMで生産していたマクロレンズがこのFA
macro100mmF3.5。軽くて小さくて安いので一部の通に人気だったコシナのマクロをペンタックスが自社のオートフォーカスに対応させたレンズだ。写りはなかなかのものだが、レンズそのものの作りは非常にチープで、鏡胴や絞り環の感触とか、特にピントリングの回転フィーリングはめちゃくちゃチャッチイぞ。
でもとりあえず身の回りのアレコレを試し撮りした結果では、ボクは気に入ってしまった。なにより軽い。こんな軽くていいのか?と思うほど軽い。とまあこれをヤフオクで落札してしまったというハナシでした。嗚呼レンズ沼。