*** テキトー絵日記 ***

2008/04/14

「マリア・カラス最後の恋」

近日上映予定のポスター with FA35mm

月曜日は映画館がメンズデーなので今日は「マリア・カラス最後の恋」を観てきました。この映画、原題は「Callas e Onassis」とあるようにマリア・カラスと愛人関係にあった海運王オナシスとの恋を描いています。観終わってまずは感想を一言。「いやぁ、なかなかの見ごたえ。こういう大人の男女の恋愛関係を描くのはイタリア映画が一番ですねい」

ボクがオペラを観るようになったのはまだ最近のことなので、世界最高のディーバと言われたマリア・カラスが現役の頃は知らなかったのですが、そんなボクでも彼女の名前だけは以前から知ってましたからねえ。ただこの映画で描かれたような人間関係が果たして実際にあったのか、映画を観終わってからウィキペディアで調べてみましたが、ストーリーの骨子となる人物関係は実際に合ってるようです。マリア・カラスオナシスジャクリーヌ

オナシスはオスマン帝国時代のスミルナ(現トルコ領イズミル)で中流階級のギリシャ人家庭に生まれた。あ、イズミールか、去年行ったぞ。そこで現トルコ建国の父と呼ばれるアタチュルクが率いるトルコ軍の国土奪還の戦いによってスミルナから逃げだし、無一文の状態から人脈やコネを作り上げながらのし上がっていく。ふむふむ、なるほど。この辺り、実際にその土地を旅行し歴史を聞かされていたので非常によく分かる。

結局オナシスにとって結婚とは自身が成り上がっていくための政略そのもので、最初の妻も義父が海運王であったことを利用したものだったし、その後、元JFK夫人のジャクリーヌと再婚することになったのもアメリカへの足がかりを得るためだった。しかし彼が実際に愛したのは愛人関係でしかなかったマリア・カラスだったとこの映画は言い切っている。

一方でマリア・カラス自身も無名の新人からオペラの世界へデビューを果たすのに30歳も年上のイタリア人実業家と結婚するが、オナシスと知り合うや、この実業家とはさっさと離婚してしまう。そしてオナシスを独占し、普通の家庭のように暮らしたいと願うが、それは彼らの生きる世界においてかなうものではない。

う〜ん、事実を下敷きにしたさまざまな人間関係や、イタリア映画ならではの愛への思い入れ。わずか2時間の映画ですが、ひさびさにたっぷりと大人の会話を学んだ気がします。歌うシーンの口パクはちょっと稚拙ですが、映画は面白かったです。お薦めです。




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