残暑厳しくと昨日書いたが、朝夕は別で、早朝深夜などはずいぶんしのぎやすくなってきた。ちょっと前までは深夜の12時に自室気温が30度もあったのだけど、今日なんかだと夜の7時で28.8度。しかも乾いたサラサラの風が窓から吹き込んでくるのでエアコン知らずで嬉しい限り。
今年の芥川賞を受賞した川上未映子の「乳と卵」」を読んだ。大阪弁のリズムで流れるような口語調なのは野坂昭如を読んでるようでもある。樋口一葉へのオマージュが隠されていると選者の推薦文にあったが肝心の樋口一葉を読んでないのでなにがどうオマージュになっているのか分からない。
面白いのは選考委員の選評で、山田詠美は絶賛し、石原慎太郎は全く価値を認めないと断言している対比だ。しかしそれはともかく、大阪は北新地でホステスをしながら通信教育で哲学を勉強しつつ文学の虜となり、歌手としてのデビューも果たしているという、川上未映子の人となりそのものがなかなかのパーソナリティを発揮していることじゃないだろうか。
受賞後、急に売れ出したCDの売り上げよりも、今後もライブをやることに重きを置いてるあたりは、充分実践派と見える。芥川賞受賞した元ホステスの歌手ライブ、ってこう書いただけで異色のキャッチになるよなあ。