*** テキトー絵日記 ***

2008/12/27

木戸で思い出す

この感じが懐かしい with FA35mm

ボクは商店の子で、記憶のある限りではずっとお店の二階が自宅だった。生まれたばかりの頃は違ったらしいけど、まもなく商店街の一角で父が商売を始めてからは正面というか、一階前面は商店としての入り口なので鉄のシャッターが自分の家の入り口だった。裏口というか、住居としての入り口ももちろんあるのだけど、そちらはあくまで裏であって気分的な正面は常にシャッターだった。

でもその記憶のもっと古い部分にはシャッターではなくてご覧のような「木戸」の商店入り口だった記憶もかすかにある。その頃は店の奥は畳の部分があって、お客さんとの商談はもっぱら畳に腰掛けてそろばんはじくという、昔の番頭さんが出てきそうなシチュエーションだったことを覚えている。

暖房は火鉢でした。店は木戸を開けてしまうと、もう全く外と変らないのに、真冬でも火鉢に手をかざすだけ。昔の人は辛抱強かったのかなあ?ボクんちは市内でもテレビを置いたのが早いほうで、夕方からのテレビ放送が始まるとお客さんでもないのに知らない人がテレビを観に勝手にどんどんと畳に上がってきたものでした。プロレス中継なんかがあった日にはもう大変。そこら中に知らないオジサンたちがいっぱいいました。昭和30年代の初頭の頃です。

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