中学、高校と６年間、この橋を渡って通学していた。もっと以前にはこの反対側の下流に橋と平行して路面電車の鉄橋もあった。1961年に路面電車が撤去されてからも長い間、鉄路の橋脚だけは残っていたが、もちろん今はなにも残っていない。ただし二見の五十鈴川には今も当時の橋脚の土台だけは残っている。
あの頃の路面電車には電車最前部に牛追いというネットで出来たブルドーザーのようなパワーショベルのショベル部分のようなものが付いていた。実際に使っているところは見たことが無いのだけど、あれで道路上に座り込んだ牛をどかす装置と聞いた。
でも流石にいくら田舎とはいえ伊勢市内で牛がのんびり歩いているなんて光景は見たことがない。その代わり当時の伊勢や二見などは観光馬車が走っていたので、道路上には藁の塊みたいな馬糞が点々と落ちていた。観光馬車には新婚さんがよく乗っていて、馬車や路面電車が道路の真ん中を走っていたものだ。おー、なんだかスペインの観光都市みたいじゃないか。
