** テキトー絵日記 ***

2009/10/05

太宰治を読む

with Lensbaby

母が不調で、しかもちょうど主治医を替えたばかりなので一度大病院でMRIを撮ってこいと言われ、その病院への送迎をする間、近くの本屋でヒマを潰していたら偶然にこれを見つけた。今まで太宰は学校の教科書に出ていた「走れメロス」しか読んだことはなかったのだけど、前から一度読んでみたいとは思っていたのだ。ちなみに太宰の中でもこの「斜陽」をボクが選んだのではなくて、スーパーの店内にある小さな本屋なので太宰はたまたまこの一冊が置いてあっただけだった。どうやら太宰治生誕100年を記念してということらしい。

内容をここで書いても野暮というものだから止すけど、没落貴族家庭の滅びの美学を描くという結構ボク好みの内容で、何度も自殺を図った太宰の心情を吐露するものが作品に色濃く反映されていると思う。200pほどの作品なのですんなりと読み終わったが、なにか三島の作品にも通じるものがあると思って、これを読み終わったらそのまま本棚で三島作品を眺めてから、その内の一冊「愛の渇き」を読み始めた。

じつは先日の新聞に日本通だったドナルド・キーンさんとのインタビュー記事が載っていて、そこでもし日本の本を読んでみたいという外国人にどれか小説を一冊勧めるのならという条件で、彼は谷崎の「細雪」を挙げていたので、それを読みたいと思っていたのだけど小さい本屋には置いてなかった。

あとはもう一冊読み返したい本があって、それは例の有名な「雪国」なのだけど、あの作品では主人公と芸者駒子との関係がエロチックな空気感となって本の行間に漂っているのだけど、あれをもう一度味わおうと思っていたが、この本を持っていないので買ってこないといけない。太宰も気に入ったのでここはやはり本命の?「人間失格」にするか、「細雪」を探すか、「雪国」を読み返すか、、まあどちらにせよ三島を読んでからかなあ、、、、。

追記、結局母の不調は原因不明なままに過ぎて復調した。MRIの検査結果はなんともないということだった。

今月のINDEXへ戻る  ホームへ  つづく