** テキトー絵日記 ***
2010/01/02

作品鑑賞二題

バレエ最後のシーン / ビデオキャプチャー

まずはこのシーン、これは昨夜ウィーンから全世界に向けて同時中継されたウィーンフィルのニューイヤーコンサート2010から。毎年楽しみにしているのは中でもバレエをどう見せるかなのだけど、今年はウィーン美術史博物館を舞台にして「心と魂( Ein Herz, ein Sinn)」の曲で踊る。写真はそのラストシーンなのだけど、中央の赤いドレスを着たプリマ・バレリーナはパリのオペラ座バレエ団で活躍中のイタリア出身エレノーラ・アバニャート(Eleonora Abbagnato)、振付はレナート・ツァネラ、衣装デザインはミラノのヴァレンチノ・ガラヴァーニと来たもんだ。ダンサーといい、衣装といい、またダンス会場となる美術館といい、全てが素晴らしく豪華で何度観ても惚れ惚れしてしまう。見逃した方はここで観てください。

ここまでは昨夜のテレビ放送だったのだけど、今日は朝から映画館。こちらのお題は「正義のゆくえ I.C.E. 特別捜査官」というものだけど、よくある捜査官物とは全然違う。主役のハリソン・フォードは確かに映画の主役なんだけど内容的には主役ではない。この映画の原題は”Crossing over”というもので、つまり今のアメリカ社会とアメリカ以外の国からやってくる移民とのクロスオーバーこそが主題となった映画となっている。

ハリソン・フォードがメジャースタジオ以外の映画に出演するのはこれが初めてだそうだ。彼のほうが脚本に惹かれ出演を決めたと言われている。そのくらいこの映画の持つ魅力は大きい。またその社会性のみならず、カメラワークも新鮮で、単なる娯楽大作では無いのに全く冗長な部分を感じさせない。重厚で深刻な今のアメリカを描いた社会的な内容の映画なのに、観終わった後に充分に感動的であると感じさせるのは脚本と監督の力が大きいのだろう。

久しぶりに観た、小品ではない、といって娯楽大作でもない、感動的な良い映画でした。大絶賛です。

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