*** テキトー絵日記 ***

2010/09/03

「Two for the Road」

パッケージ with Lensbaby

ハナシは遡るが1997年、東京に出張したついでに渋谷のタワーレコードに入ってジャズのフロアに上がったらなんとも優しい雰囲気の、静かで広がりのある音楽が流れていた。それがパット・メセニーとチャーリー・ヘイデンのデュオアルバムで「Beyond The Missouri Sky」だった。事前に買うものも決めてなかったのですぐさまレジで「今掛かってるアルバムを下さい」と購入した。

その時掛かっていた曲は”First song”という曲で、これはその後ジャズとしては結構ヒットしたようだった。その時にもう一曲これもいいなと思っていたのがあって、それが”Two for the road”だった。

さてそれから10年以上の年月が流れて、今年の春頃にTed Nashというサックス吹きがヘンリー・マンシーニの楽曲を演ってるアルバムが気に入ってこれを買ったのだけど、そこで演奏している”Two for the road”がなんともゴキゲンでこの曲だけ何度も聴き直したりしていた。

先日の名古屋のジャズフェスでたまたま歌手がこの曲を取り上げたのだけど、歌いだす前に、これはこれこれこういう映画のテーマ曲で、という前フリがあって、単に曲のことしか知らなかったボクは、へ〜そうなのかと映画の方にも興味を持った。

幸いにもこの映画はDVDになってまだ売っていたのでネットで購入した。その1966年の映画を今日の午後はテレビで鑑賞したのだけど、いや、大人の映画だねえ。主演はオードリー・ヘップバーン、監督はスタンリー・ドーネンで音楽はヘンリー・マンシーニ、とこうくればこれはもうあの「シャレード」の流れをくむ作品というのは容易に察することができる。しかし内容としてはジャンルも雰囲気も全然違っていて、結婚12年目で倦怠期を迎えた夫婦が、かつての新婚時代をフラシュバックさせながらフランス各地を巡るロードムービーという出来になっている。

大人というのは会話の中身がね、もう大人なのですよ。ここでその会話の中身を一言二言取り上げても、そのセリフの背景まで説明しないと上手く伝わらないと思うので自重しますが、甘ったるいだけの恋愛ものではないし、酸っぱいだけの青春ものでもない。といって重苦しい人生映画にもなっていない。なんといってもオードリーですしね、おまけにシャレードのスタッフだからどこか粋なのですね。

てな訳でこの音楽”Two for the road”もますます気に入りました。

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