*** テキトー絵日記 ***

2011/02/05

「彼女が消えた浜辺」

with XR18-200mm

今年最初の映画鑑賞はこれ「彼女が消えた浜辺」。サブタイトルに「カスピ海沿岸でのヴァカンス。波が彼女をさらい、エリという名前だけが残った。エリとはいったい誰だったのか?」とある。ベルリン映画祭で最優秀監督賞を受賞したイラン映画だ。リーフレット裏側には解説や賛辞として「中流階級の男女」「結婚、恋愛、秘密、嘘」「謎が謎を呼ぶ心理サスペンス」などの文字が踊る。

なにか映画を観てこようと上映案内からこの映画のサイトで予告編を観たら、40数年前に観たミケランジェロ・アントニオーニ監督の「情事」を思い出した。中産階級の若い男女が海に来て女性が失踪する。ここまではこのイラン映画もよく似ている。ここからの展開は随分と違うのだけど、今日観てきたイラン映画の方は言葉による、まるで舞台劇のような心理ドラマの様相を呈する。一方かつて観たアントニーニ監督の映画は言葉少ないゆえの心理描写といったところか。映画としては不可解な部分もあって、結局あれは恋愛の不条理を描いた映画ということだったのだろうけど、なんとも不思議で、しかし妙に記憶に残る映画だった。なにしろそのインパクトはものすごく、現にこうして40数年経った今この映画のシーンをあれこれ思い浮かべることが出来るほどだ。

さて今日観てきた映画だけど、脚本がよく書けていると思う。ちょっとした心理のひだを細かく描写しながらストーリーは展開する。良かれと思ってうわべを繕った小さな嘘が次第にややこしいことになっていく。

脚本も監督も同じ人で、アスガー・ファルハディといいます。ぜひ次回作も観たいものです。この映画の公式サイトはこちら

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