*** テキトー絵日記 ***

2011/03/07

「しあわせの雨傘」

with XR18-200mm

カトリーヌ・ドヌーブが帰ってきた。「しあわせの雨傘」、監督はフランソワ・オゾン。映画の内容は、1977年の雨傘工場のブルジョワ経営者婦人が、会社の労働問題に対面することから始まって次第に政治的な自立に目覚めていくという女性サクセスストーリーなのだけど、工場内の雨傘の陳列があの「シェルブールの雨傘」の店内を模していたりして、この映画が「シェルブールの雨傘」へのオマージュを踏まえることも忘れていない。

しかしこのストーリーだけならずいぶんと辛口の社会派映画のようだけど、そこはフランス映画、男と女とロマンスにセックス、そしてその連なりか織り成す人生は素晴らしいものだという肯定的な内容で、やっぱりいいなあフランス映画!という気分にさせてくれる。

「シェルブールの雨傘」の時のドヌーブは21歳。どんなに可愛くて綺麗だったかは今更語るまでもないのだけど、2010年制作のこの「しあわせの雨傘」ではドヌーブは67歳なのだけど、体型はともかく、目元などには今でもシェルブール当時の可憐なドヌーブの面影が残っている。

この映画の内容をテレビの昼メロなんかで作ったら、ドロドロの愛憎映画にもなり得そうなのだけど、愛とロマンス大賛成のフランスが描くと、かくも素晴らしい人生賛歌になるのだなあと、つくづく感心しながら楽しめた映画でした。

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