ちょっと加工 with XR18-200mm
先日からこのアルバムにハマっている。見よ、このチープでサイケなアルバムデザインを。バーバレラじゃないんだから。これはご存じハービーハンコックのヘッドハンターズに続く第二弾のアルバム「Thrust」なのだけど、内容的には前作よりはるかにファンク傾向が強まって、その分だけジャズ色が薄まっているが、このワンテイク重視の録音はそのスリリングさにおいてもまさに70年代のファンクジャズそのものと言えよう。
20年前にこれを聴いたら古臭く感じたと思うが、今これを聴くととても新鮮で飽きない。ボクはこの3日間でもう10回以上聴いている。この延々と続くリズムパターンが次第にグルーブしていく様はラテン音楽と共通しているかもしれない。一見単調にも思えるリズムバックだけど、なかなかどうしてものすごくタイトでシビアな内容であることは言うまでもない。
ちなみにこれはジャケット裏面の写真なのだけど、笑ってしまうほど見事に70年代してますねえ。それもそのはずで、このアルバムは1974年のリリースです。まだベトナム戦争が続いていた頃です。ヒッピー、フラワーレボリューション、サイケデリック、アングラ、ハッパフミフミ。こんな言葉が大流行していた頃です。(最後のは違いますが、、笑)
しかし、このアルバムのハナシに戻りますが、音楽の内容は今聴いても素晴らしいものがあります。なにしろこれらはダブとか打ち込みとか編集作業で産み出されたものではなく、間違いなく人間が延々と繰り返しながら次第に全員がグルーブしていくという、マイルスなどでお馴染みの手法です。そのワンタイム性、セッションフィーリングなどからこのアルバムはまさにこの時代を表すジャズと言えるでしょう。
ジャケットの中に、当時ドラムで参加していたマイク・クラークが1997年に曲の解説を書いてますが、それによるとアルバム2曲目の「Actual
Proof」は、南無妙法蓮華経を唱えるだけで自分や周りを善き高みに近づけるという教えに触発された曲だそうです。つまりactual
proofとはこのお題目を意味している。そういえばハービーは創価学会員なのでした。この解説は英語で書いてあるのですが、Nam
Myoho Renge Kyo なので、これを目にしたときは新鮮でした。仏教に疎いボクは、そのことを知らずに、なんとなく
ナンミョー、ホーレン、ゲキョーだと思ってたものなあ。