西日の駅前 with XR18-200mm
今日は日本各地で日中の最高気温が30度を超える真夏日だったそうだ。伊勢も暑かったが、まだ真夏日には至っていない。
話題の小説「わたしを離さないで」を読了した。おおまかな粗筋を事前に知っていたせいか、読後感は驚くほどインパクトが少ない。あまり感動もせず、あまりショックだったりもしない。上品な薄味料理を頂いたあとのようだ。
しかしこれじゃボクの、カズオ・イシグロに対する評価が決まらない。もう少し彼のエッセンシャルな部分に触れてみたい。もっと何かあるはずなのだ。
そこですぐに次の「夜想曲集」を注文した。なんといっても副題が(音楽と夕暮れをめぐる五つの物語)となっているので、作家に興味があるのならボクが読むべきはむしろこっちなのではないかと思えるから。
もちろん日本語訳の本を注文したのだけど、これだったら原書を読むのもいいかなと思い始めている。婉曲的な言い回しが得意の英国英語、抑制的な文章を書くガズオ・イシグロ、この両者が醸しだす行間の雰囲気を直に味わってみたいという冒険心もちょっとある。日本語訳を読んでから、どうするか決めようかな。