ホールコンサート with XR 18-200mm
年に何度か、今日のようなコンサートスタッフをする。といっても前に書いたように、専門的なことはそれぞれのスペシャリストがいるので、まあ要するにコンサートに関わる雑用一般といったところだ。したがって大した用事が発生しない今日のような場合は、朝から晩までひたすらヒマだ。
カズオ・イシグロの短篇集小説「夜想曲集」を読み始めているのだけど、この本はこれまでボクが作者に対して持っていた印象があっさりとひっくり返るほどの感想で、言ってみればこれはニューヨーカー短篇集の欧州版といったところ。軽妙洒脱とでも言えば良いのか、音楽を、それもスタンダードソングをハナシの主題にしながら、都会の男女の物語を紡いでいくなんて、まさに”ニューヨーカー”だ。(でも”コード変化”と訳していたところがあったのだけど、そして確かにあれは
chord change と言うけれど、それを訳するなら”コード進行”でしょうね>訳者さまへ)
しかしこうなれば比較する気じゃなくても嫌でも頭に浮かぶのが、例えばニューヨーカー短篇集といえばこの人的なポール・オースター。テイスト的には同じ好みになりません?>両作家ともお好きなゆうけいさん
もちろんボクもこの手のものは大好きで、したがって今までの例えば「日の名残り」から受ける重厚な印象のカズオ・イシグロとは全然違うのですが、「夜想曲集」のカズオ・イシグロはとても簡単にOKです。すんなりとOK。あまりに簡単にOKなので、それがどう良いのだ?と問われても答えにくい。ただただ、いいねゴキゲンだね、で終わってしまう。でもこれが英国流のペーソスというものなのかもしれない。
さてこの「夜想曲集」、全部で5話の短編のうち残りは2話。どれどれと残りを読んでみよう。