by X10
本日のお題はこれ。イタリア映画「あしたのパスタはアルデンテ」。老舗パスタ会社の息子がゲイであることを告白したことから始まる家族内のあれやこれやを喜劇調に描いている。この映画、言ってみればただのホームドラマなのだけど、<最高にハッピーな高揚感>というのは確かにその通りで、70年代調の音楽とともに未来を信じても良かったあの頃の気分が蘇る。
といってもこの映画の設定は現代(2010年)であって、初めから懐古調に出来ているわけではない。同性愛を毛嫌いする老舗会社のトップの父親と、奇しくも息子二人がそれぞれゲイであるという設定。かといってゲイの主張を声高に盛り込んでいるわけでもなく、人は皆それぞれであっていい。祖母の言う「他人の望む人生なんて、つまらない」というのがこの映画のメインテーマのようだ。
「あしたのパスタはアルデンテ」とまあ、軽い日本語タイトルが付けられたこの映画は、原題が「Mine
Vaganti」となっていて、このイタリア語の意味を調べたら「浮遊機雷」だった。なるほどねえ、結構シニカルな部分もサラッと盛りこんであるこの映画、表面的には穏やかでも一触即発の危険を抱えているという意味で「浮遊機雷」もいいかもしれない。もっとも、そうすると戦争映画と間違えられるかな。
挿入歌の「五万粒の涙」(チンクワンタミラ)がとても良かったので、ご紹介しましょう。なんかイタリア映画黄金期の雰囲気がある。→http://youtu.be/5k_iDUIxRMA