*** テキトー絵日記 ***

2012/02/23

「モントーバンの火」

アコーディオン教本は準備してある by X10

ボクのオーダーしたアコーディオンは、USPSで日本まで平均2週間掛かるというから、予定通りなら3月2日に着くはず。待ち遠しいなあ。なのでヒマさえあればYouTubeでアコーディオンの演奏を鑑賞しているが、アコといっても種類も多ければ演奏スタイルというか音楽ジャンルも様々で、今のところボクの興味はヴァルス・ミュゼット(ワルツ・ミュゼット)という、まあ簡単に言うと1930年代〜1940年代にフランスで花開いた3拍子のアコルデオン曲のことだ。

聞きかじりの知識ではあるが、これはイタリアからの移民 - おそらくロマの人々だと思う - が持ち込んだアコーディオンとフランスの3拍子音楽が結合したもののようだ。しかしてこれがのちのジャンゴ・ラインハルトで有名なジプシースィングにも発展していき、アコーディオンによるジャズというジャンルも出現することになる。

というわけで今日はたまたま見つけて気に入ったこの演奏を聴いてください。アジア人女性が演奏していて、いかにもアマチュアですが楽しそうな雰囲気と、なにより楽曲の素晴らしいメロディラインに惹き付けられました。

気に入ったのでこのFLAMBEE MONTALBANAISEという曲のことを調べてみた。すると分かったことがいくつかあって、まずMONTALBANAISEというのは英語読みで言うモントーバンというフランス南東部の地名です。日本語タイトルは「モントーバンの火」なので前半のFLAMBEEとは炎とかの意味でしょう。しかし「火」とはどういうことかと気になってもうちょっと調べたら、第二次大戦中にモントーバンが空襲で燃えたことを知ったギュス・ヴィゼールが作曲したものだと分かりました。ピカソのゲルニカみたいなもんですね。

ベルギー人のアコルデオン奏者のギュスはこれを純粋なインスト曲として作曲しています。しかしこの見事なメロディは後に歌詞を付けて歌う人が現れるのでした。では次にこの曲の歌バージョンをどうぞ。

いいですねえ、雰囲気がある。はじめストリートパフォーマーだったギュス・ヴィゼールはジャンゴと会い伝説のホットクラブで弾き、次第にビバップに接近していく。では最後にそんな彼の思いを具現したかのようなガリアーノによるこの曲の演奏をどうぞ。表現力が見事です。

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