新富座入り口 by X10
観たかったこの一本・映画「アーティスト」を観てきた。これはサイレント映画への強烈なオマージュであり、古き良き映画時代へのノスタルジーでもある。
映画の時代設定が現代の場合、ハッピーエンドな筋書きは往々にして浮いてしまいがちだけど、こういうノスタルジックな時代背景の場合は、それがちっとも嫌味にならず素直に最後の幸福感に浸れる。
前評判の高かったワンちゃん(UGGY)の演技もなかなかで、ラストシーンが二人の息もピッタリ合ったタップダンスだなんて洒落てるじゃないか。北野武監督の映画「座頭市」ともつながるセンスで、どちらも先人達の作る映画へのリスペクトであろう。
この映画自体がモノクロのサイレント映画なので、映像の間に字幕ならぬ文字を映したシーンが流れる。せっかくなのでその下の日本語を読まずに直接英語を読むようにしていたのだけど、だいたい3行あると最後の一行を読みこぼしてしまう。
これはアタマから順に文字を読んでしまうからで、パッと見てパッと理解するようにならないと間に合わない。おまけにどうしても日本語に目が行ってしまうので、英語の文章が5行以上あると最後の2行くらいを読み残してしまう。
いくつか、なるほどと感心した翻訳があったのだけど、(ということはやっぱり日本語も読んでいたのだな)、彼女が連れていた若い男たちを”Toys”って言っていたのが印象に残った。本気の相手じゃなくて暇つぶしみたいな意味だったけど、それにしてもToysとはねえ、ストレートなこと。