*** テキトー絵日記 ***

2012/07/29

伊勢薪能

今年から勾玉池の奉納舞台にて by X10

これは昨夜の出来事になるが、毎年恒例の伊勢薪能を鑑賞してきた。今年から場所が変わって、遷宮館に併設する形でリニューアルされた勾玉池の上の奉納舞台がその会場となる。なにしろ池の上にある舞台だから、去年までのように勝手に舞台横手に回ったり出来ないし、一定の距離以外には近づけもしない。

観客は湖岸に新設されたモダンな休憩舎から観るのだが、なまじ観客席に屋根があることになるので、去年までのようにかがり火と舞台と大木、夜空、月などが一体となった幽玄な空間として迫ってこない。ああいうのが薪能の真髄なのだと思うのだけどねえ。おまけに休憩舎の太い柱が鑑賞の邪魔にもなっている。

今年は遷宮館オープンの効果もあってか、明らかに去年よりも人が多い。多すぎて収容しきれず、その上、多くのアマチュアカメラマンが三脚持参で良さそうな場所を占拠している。

いつもは舞台袖に仕掛けられたガンマイクが演者の声を拾っているのだが、今年はどうやっていたのだろう?なにしろ舞台の外は池だから機器類は設置できないだろう。ワイヤレスマイクを直接演者に仕込んだのかもしれない。ただ途中からやたらとノイズが乗りだして、なんかPA関係は苦戦の様子だった。

しかし、やっぱり能の持つ独特の幽玄の世界は一流だ。特に大小2つの鼓と笛が織りなす時間と空間の演出は素晴らしい。ボクの場合は、これが味わいたくて能という舞台芸を観に行ってるようなものだ。

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