*** テキトー絵日記 ***

2012/12/08(土)

「情熱のピアニズム」

解体の始まった駅前ビル by X10

今日は前から観たいと思っていたドキュメント映画「情熱のピアニズム」を見に自転車で出かけた。午前中は雲が多く日差しが乏しいので、冷たい北風に改めて冬を実感した。映画館に行く途中、打ち壊している旧駅前デパートの解体現場を写真に撮って、う〜む、これもHDR向きだなあと一人で納得したりした。

さて映画館では同時に上映している「ROUTE42」(地元の国道42号線を舞台にしたロードムービー)の方が圧倒的に人気があるようで、「情熱のピアニズム」を上映する方の劇場にはボクを含めて観客は4人だけだった。ミシェル・ペトルチアーニの知名度は音楽ファン、ジャズファンでなければこんなもんなのだろう。

映画はペトルチアーニの人生をドキュメントするものだけど、同じ音楽ドキュメントといってもかつての「ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ」のように、一つの曲をまとまって聴かせてくれる場面はほとんど無く、多くの演奏シーンの断片的な羅列なのが少し残念だった。それでも彼がどういう人生を生きて、どう音楽に接したか、また彼は結婚後も次々と恋人を作り、彼と同じ障害を持つ子どもまでもうけたが、そうした音楽以外の生活態度など、この映画を通じて彼の生き様の一遍に触れることが出来たように思う。

演奏ということに関しての感想だけど、彼が7歳の頃、すでに毎日10〜12時間ピアノに向かっていたそうだ。本人の興味もあったが、ジャズ好きの父親の特訓でもあったようだ。もちろん音楽性が練習量だけで決まるわけではないが、例えば売れる前のチャーリー・パーカーは年中サックスを片時も離さず吹いていたというし、コルトレーンも練習の虫で有名だった。またマイケル・ジャクソンは来日公演の前夜でも一人でホテルの部屋にこもってダンスステップを練習していて、一夜にして部屋の絨毯がささくれだったという記事を読んだことがある。つまり偉大なパフォーマーはとてつもない練習量に裏打ちされているのだなあというのが今日一番の感想だ。

1988年にジャズフェスで来日した時の演奏がこれ。

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