ドウロ川に浮かぶかつてのワイン樽運搬船とドン・ルイス1世橋 by X10
旅行三日目はポルトの市内観光から始まった。しかし考えてみれば今まで連泊していたホテルそのものがポルトの世界遺産地区のまっただ中にあった訳で、一応バスには乗ったものの、結局ホテルの周りを行ったり来たりとウロウロしただけだった。というかホテルの周りに重要観光拠点が散らばっていると言ったほうが正確かな。
ここでも特筆すべきは聖フランシスコ教会で、ポルトの歴史的町並みとは別に、この単独の建物そのもので世界遺産となっている。しかし残念ながら内部の撮影が禁止されているので、あの夥しい木工細工によるバロック特有の装飾を自分の記録に残すことができない。建物そのものは14世紀から建設が始まり18世紀に至るまでの途中で何度も改修されているので、建築様式や装飾はゴシックやバロックなどが混在している。
偶然撮れてしまった聖フランシスコ教会内部
ほかにも観光定番のサン・ベント駅の装飾タイル(アズレージョ)やエキゾチックな建物に囲まれたリベイラ広場などを見学して、ドウロ川のクルーズに出た。
サン・ベント駅のアズレージョ
リベルダード広場
レトロな路面電車が縦横に走る
船からの見所は川沿いの景色と両岸をつなぐ5つの大きな橋。特にポルトを代表するドン・ルイス1世橋はその独自なデザインで圧巻な景色を演出していた。ほかにもまるでエッフェル塔のような鉄のアーチ、と思ったらやはりグスタフ・エッフェル本人がエッフェル塔を建てる前に作ったものだという説明だった。
上下2段構造のドン・ルイス1世橋とドウロ川の様子
エッフェルが1877年に制作したマリア・ピア橋
やはり鉄のレースだ。
船を降り対岸にあるサンデマンというブランドのポルトワイン工場の見学に入った。正確に言うと工場ではなくて観光客を受け入れるワイン貯蔵所。ここでポルトワインの説明ビデオを見て、赤白それぞれのポルトワインを試飲させてもらった。ポルトワインとはワインの製造途中でブランデーなどを加え発酵を止めてしまうという酒精強化ワインのことだ。今ではポルトワインにも非常に多くの種類があるが、元はと言えば普通のワインを作る失敗作から始まったそうだ。
1790年設立のサンデマン社
日本のデパートで売っている1本三万円クラスのものでもここの卸組合価格ならば数千円で買えるそうだ。しかし酒瓶は扱いが面倒なのと重いのと税関のことも考えるとなかなか土産にするのが難しい。そこで5種のポルトワインがミニボトルになった箱入りをお土産にすることにした。
最低3年は熟成させるポルトワイン
この後、ドウロ川に面したレストランでランチ。名物のアローシュ・デ・パト。ポルトワインに漬け込んだ鴨肉の炊き込みご飯・これをやはり名物のドウロワインで頂いたのだけど、この時サーブしてくれたウェイトレスのおねいさんが綺麗だったので、思わず、お幾つ?と訪ねたら「24歳よ」とのこと。でも「どうして?」「もっと老けていると思った?」などと立て続けに返してきたので「いやいや、あなたはとても綺麗だね」と伝えたら素直に喜んでいた。プチ・ポ語会話実践編でした(^^)。
綺麗なおねいさんのいる(^^)レストランLapin
これで2泊したポルトを後にして120km南下、次は大学都市コインブラに入った。ここでの見所はなんといってもコインブラ大学のラテン語図書館。しかし残念ながらここも撮影禁止なのだけど、どういうわけかここでも偶然写ってしまった図書館の様子を載せておく。すべてラテン語で書かれた数万冊の蔵書なのだけど、現在でも貸し出しがOKで、たまたま今日は2カ所に本の貸し出し中マークがあった。中世、それも13世紀の本を今でも借り出せるというのが驚き。
超々難関のコインブラ大学と学資稼ぎの学生たち
偶然撮れてしまった13世紀からの大学図書館内部
ストリートのアコ弾き@コインブラ
このあと今夜はここ、コインブラのホテル泊だったので、チェックイン後、近所のスーパーに食品系のお土産を買いに出たが、店内のレジがすさまじい混み具合で圧倒された。といっても店舗が巨大とか、めちゃくちゃ繁盛しているというのではない。なんというかレジがノンビリなのだけど並んでいる誰も文句を言う雰囲気ではなかった。