*** テキトー絵日記 ***

2013/06/20(木)

ポルトガル旅行5日目

巨大な無装飾の身廊@サンタ・マリア修道院 by X10

旅行5日目。今日はまず15kmほど離れたアルコバサというところで世界遺産のサンタ・マリア修道院を見学した。ここは12世紀にシトー教団という質実剛健を旨とする厳格派のキリスト教団によって創建された建物で、長さ106m高さ30数mもある巨大な聖堂には装飾がほとんど施されておらず、それがまた独特の雰囲気を醸し出している。


ほとんど装飾の無いシンプルな入り口

ここはこの聖堂、つまりチャペル部分以外にも修道僧たちが過ごした回廊や水場、巨大なグリルと煙突(一度に牛8頭が料理できたそうだ)食堂など、それぞれに見応えのあるものだった。とある部屋では男性がミサ曲を歌ってくれたのだけど、録音か、あるいはサンプリング音源かと聴き間違えるほどの素晴らしい生声だった。伴奏にはローランドのデジタルピアノの音源を使っていたが、声そのものは紛れもなく生声のカウンターテナーだった。感動したので後から戻って彼のCDを買い求めた。


無装飾がかえって美しい食堂


回廊から見た西側ファサードの塔

さてここの観光を終わり、次はオビドスという中世の城塞で囲まれた小さな村に向かった。スペインでいうところのミハスみたいな雰囲気のところで、白い壁、赤い屋根、せまい階段、などが連なる山間の村だ。ここは観光というより土産物屋さんが立ち並ぶ一本道で、お土産などを冷やかして散策しましょうという感じ。チョコレートで出来たミニカップに入ったジンジーニャというチェリーリキュールが名物。甘くてチョコにはよく合うので、飲みながらカップごと食べてしまえる。でもアルコール度数は20度くらいあるのでナメてはイケナイ。チョコカップごと舐めるのはいいけれど。


城壁から見た町並み


狭いメインストリートを観光馬車が通る


小さな雰囲気のある教会がある


でもこんなにアートな本屋さんもある


猫もいる

お昼は近くのレストランで、エビのパテを揚げたものと名物料理「カルネ・デ・ポルコ・ア・アレンテジャーナ」つまりアサリと豚肉の炒め物。今日は快晴で暑かったのでビール、しめはハマってしまったウンカフェ!ポルファヴォール。かつての植民地だったブラジルから美味しいコーヒー豆が入ってくるのでポルトガルはコーヒーが美味しい。それもエスプレッソが美味い!

午後からは大西洋沿岸部からぐっとスペイン国境に近い内陸部へと向かった。いわゆるアレンテージョ地方なのだけど、これはそもそもアレンテージョという言葉自体がテージョ川の地方という意味で、このテージョというのはスペインのトレドを流れるタホ川のポ語読みだ。なのでこのアレンテージョが近づくに従って空の雰囲気が違ってくる。雲一つない見渡す限りの青空、気温もぐんぐんと上がって典型的な内陸性の気候になる。バスからの車窓景色も地平線まで続くかと思われるようなオリーブ畑、乾燥していて地面からの湿気や菌に悩まずに済むので膝丈にしか背丈を伸ばさないブドウ畑など、まるでアンダルシアそのものだ。ここからセビージャまでは100kmもないので当然と言えば当然だろう。アレンテージョ・ワインが格安で手に入る地域でもある。


ディアナ神殿蹟

さてアレンテージョ到着。正確には世界遺産のエヴォラという町に着いた。ここでの観光はなんと1世紀の建物であるディアナ神殿蹟。コリント形式の円柱が14本並んでいて、その保存状態は1,2を誇るものなんだそうだ。この1,2というのがポルトガル中なのか、ヨーロッパ中なのかは聴きそびれたので分からない。


エヴォラのカテドラル

次にエヴォラのカテドラルを外から見学して、サンフランシスコ教会の人骨堂を見学してきた。壁面がすべて本物の人骨で出来ているという僧侶たちの瞑想の場所だが、現在は博物館並の扱いなのでかえって幻滅だった。今まで観てきた世界遺産クラスの教会などはこんなに見学のことを重視していなかったからこそ、おごそかな気持ちにもなれたけど、こう博物館的な扱いになると少なくとも敬虔な気持ちにはなれない。


全て本物の人骨で出来ている柱と壁

これで本日の観光はお終い。時刻は午後6時だけど、まるで午後4時くらいの位置で太陽がガンガン主張している。さすがはアンダルシアの近所、さすがはアレンテージョ。


午後の6時で太陽がこの高さ!

このあと200km走ってリスボンのホテルに入った。ディナーはこの5☆ホテルで、人参のクリームスープ、ジンジャーとココナッツミルク風味。スライス・サーロインのグリル、ルッコラ、トマト、チェリー、フライドポテト添え。高級ホテルは食器が違う。値段も大いに違うけど。

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