シネコン by X10
もともとトム・クランシーの小説は好きでよく読んでいた。これまでに映画化された「レッド・オクトーバーを追え」も「パトリオット・ゲーム」も「今そこにある危機」、「トータル・フィアーズ」、いずれも映画としても面白いという感想を持っていた。そこにライアン博士が工作員としてCIAに徴用されるようになったいきさつを描いたこのほどの最新作「エージェント・ライアン」も期待をして観に行った。
だけどなんだか違和感というか、小説で想像していたジャック・ライアン像とは違うのだ。まあ記憶に残っている小説のほうが圧倒的に面白かったからかもしれない。ライアン博士って分析では一流でも工作員としては未熟で、見ている方がハラハラする。そんな人物だったんじゃなかったっけ?なんというか、チームバチスタの田口センセみたいな、ホントは向いてませんよという人物が渦に巻き込まれながら活躍するという風であったような記憶があるのだけど違ったかな。
それとは別に、ストーリーというかハナシの脚色というのか、相変わらずの東西対決にテロリストの陰謀、そこに熱血漢ライアンの恋人が巻き込まれて、ってそんな場所に素人の女が出てくるかなあ。なんかハリウッド的展開が妙に鼻について、これも没頭できない要素の一つだった。これが仮に1960年代の名画とかなら全然文句はないのだけど2014年の現在に公開する映画に含める要素かなあ。予告編で紹介する他の映画がやたら「敵と戦う」だの「愛する○○を守る」だの「人類の危機」だのって見ているだけで古臭っ!って思ってしまったのだけど、このライアンも似たようなもんじゃないかえ。
てな訳で、まあ活劇映画としてはそこそこに面白いので、小説とは無関係に見たほうがよろしいかと思います。ケビン・コスナーは以前より渋くなってカッコ良かったけど。