休憩中 by X10
今宵のオペラ「カルメン」はスロヴェニアのマリポール国立劇場によるものだ。前回この「カルメン」を観たのはいつのことかと日記検索してみたら2002年のハンガリー国立劇場によるものだった。12年も前なのだけど結構覚えているところもあって、特に舞台美術は前回のほうが古典的だけど凝っていた。反対に言えば今回のほうがモダンな反面、照明とバックスクリーンに頼っている辺りは簡素だとも言える。
今日の配役は主役のカルメンがグアダルーペ・バリエントス、相手役のドン・ホセがアリヤシャ・ファラシン、とまあこう書いてみたが特にオペラ通でもないボクにとっては二人共その名声や経歴を知らない人たちなのだけど、知らないからこそ言える大胆な発言。
的外れかもしれないことは重々承知の上で書いちゃうが、オペラの主役級の歌姫が演じる人物はストーリーとしてはだいたいが男たちの恋の対象で、その存在を巡って男同士で決闘が在ったり、痴情事件に発展したりするのが常なのだけど、いくら声量のためなのかどうか知りませんが、まるでトドかと思えるような巨体になるのは如何なものかと思う次第であります。ホントだよ〜
だってだって、オペラというのは音楽と声楽と舞踊と舞台芝居の総合芸術な訳でしょう。その鑑賞には耳だけじゃなく目だってフルに活用して楽しむわけです。いくら声楽的素養が優れていても、女性としての視覚的魅力に欠けるとなれば、その辺りはぜひとも一考を施して欲しいものだと思うのです。ぶっちゃけて言うとナンでオペラだけがこれを許しちゃうのでしょうか?
まあでも椿姫(2007)に比べれば今回のカルメンは奔放なジプシー女ということなのでまだ許せるのかもしれないが、主役級に次ぐソプラノ歌姫たちはいたって普通というか、女性らしいスタイルなのは今回に限らずいつもそうなのだけど、これはどうしてなのでしょうかねえ。
マリポール国立劇場(ただし今日のカルメンは彼女ではない)