*** テキトー絵日記 ***

2015/01/15 (木)

純文学とジャズ

雰囲気は早春だけど by G1X Mk2

予報通り今日は雨。それも午前中には雷も鳴って結構激しく降った。気温も上がらず、いかにも冬の感じ。でも昼頃からは雨脚も落ちてきて夕方くらいには降り止んだ。明日は晴れるそうだ。

今読んでいるのが川端康成の「山の音」。主人公はボクとほぼ同い年くらい。でもこの頃(昭和30年代)の時代背景のせいか、ずいぶん年上に思える描写だ。ただ川端文学なので妙に色気ばしったことを淡々と描写したりしている。主人公がどうしたこうしたという描写ではあるけれど、これは作家としての川端本人の自覚であろうと思える。まあそこが川端文学の良さでもあるのだけど。

ちまたの書店でベストセラーとかで並んでいるのは圧倒的にミステリーが多いのだけど、あれはハナシの筋が大事になる。いわば筋あっての登場人物だったりするが、純文学の面白さは筋には無いと思う。

純文学と言ってしまうとちょっと大上段に構え過ぎかもしれないが、すくなくとも日本の純文学というものならば、多かれ少なかれ私小説の域を超えないものが多いのじゃないだろうか。つまり書いている「私」自身の経験や感じ方や主張などを、小説という形で表現しているということだ。だから読み手はそのハナシの中から作家の「私」というものを感じるのが面白いということだろう。ん〜、そうか、そうすると純文学の味わい方というのはジャズのそれと同じなんだな。

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