いつものシネコン9:30AM by G1X Mk2
今朝は映画「アメリカン・スナイパー」を観てきた。イラク戦争での狙撃手のハナシというか狙撃シーンは「ハート・ロッカー」だったか「ルート・アイリッシュ」だったかでもエラく現実的な感じで撮影されたものが記憶に深い。数撃ちゃ当たる式のドンパチ映画よりも、1発に掛ける重みといった要素がどこかサムライ的な魅力なのかもしれない。
映画の内容とは関係ないのだけど、上映に先立ちこんなことは止めましょうね、みたいな案内が映る。そのときの画面最上欄に”Appreciation
Manners”と出たので、appriciate という言葉を「感謝します」の意味でしか知らなかったボクは、あれれ?これはどういう使い方?と思ってしまった。単なるMannersではマナーの押し付けっぽいのでAppreciationを付けて、遠慮というか下から目線のお願い気分にする意味でもあるのかなと思った。でさっそく帰ってから辞書を引いたらこのAppreciationには「鑑賞」という意味があることを知った。つまり先の言葉は単に「鑑賞エチケット」みたいなことだったんだ。な〜るほどね。
さて映画のほうだけど、やっぱり監督(クリント・イーストウッド)がいいと映画から訴えるものが違う。特に前回観たのが「フューリー」(ブラッド・ピット主演、監督)という、戦車が好きな人以外にはとてもオススメできないような、映画としては情けないものだったので、ドンパチやる以外に何を訴えるかという要素がとても重要だ。
この映画のシーンの多くはイラクでの戦闘場面なのだけど、ある意味これは退役兵士たちの心的外傷を訴える映画でもある。特に印象的なのは最後のところとそれに続くエンドロールの見せ方。長々とスタッフの名前がロールアップされていくのはいつもの映画と同じなのだけど、それが完全に無音の中で続く。主題歌はもちろんのこと、BGMも効果音も一切なし。シーンとした無音を背景にして黒無地のスクリーンにスタッフの人名が白文字で細々と表示されていく。これが延々と続き、終わるかと思ったらそれから主演者を含めたキャストの人名が続く。しかもやっぱり無音のまま。これねえ、意外と席を立てないですよ。悲劇の最期に続くこういう演出。ウマイねえ、イーストウッド監督はさ。
映画館を出たら明るい青空が広がっていた。まだ12時だもなあ。なにか映画と共に過ごした時間と、微妙に食い違う気分なのだけど、それだけ映画の内容に没頭していたという意味だろう。