*** テキトー絵日記 ***

2015/06/30(火


バルト三国とロシア旅行-エルミタージュ美術館編

by G1X Mk2

今日のメインはエルミタージュ美術館。メインと書いたが、これが今日の全てと言っても過言ではない。予定では館内に6時間滞在することになっている。

というわけでまずは空港近くのホテルからペテルブルクの中心地にバスで向かう。ところが、これが大渋滞。500万人の都市は半端ではない。ましてあちこちにロシア流というか、え?こんなんでいいのか?という大雑把さや強引さが垣間見えたりする。片道の道中だけでも2度も接触事故の現場を見た。

ようやくエルミタージュ美術館に到着。入り口付近はものすごい人人人。入場のチケットを買うだけでも長蛇の列。さらにチケットを買った後の入り口も個人客の入場口は2時間待ちの長〜い行列となっていた。あれに並ぶのは根性あるなあと思ってしまう。


近づくとその大きさに圧倒される

ボクたち団体客はあらかじめの手配でスムーズに団体客入り口から入れたが、入ってビックリ。館内の客数も半端ではない。台湾の故宮博物館も物凄く混雑していたが、あれは中国人グループの傍若無人な振る舞いが原因の多くを占めていた。


大使の階段

その点、ここエルミタージュでは走ったり大声を出したりする人はいないのだけど、なにしろ本当に世界中から客が押し寄せている感じで、特にこの時期はクルーズ船からの団体客も多く、情報によるとこの日はクルーズ客だけで3000人というから観光バスで100台分くらいが来ているようで、さあタイヘンなのでした。数少ないトイレは長蛇の列だし、カフェなどではどこにも座る場所がない。


廊下

昼を回ると2カ所しかないカフェはもっと込み合うとのことで、早めに昼食をとることにする。といっても売ってる食べ物はサンドイッチくらいしかない。なんとか座る場所も確保できて、そそくさとサンドイッチを頬張る。もうね、味わうとかいうレベルではないのだ。とにかく夕食事まで持たすのだという使命感かね。


広間

それから現地ガイドさんに連れられて館内の主な展示物を見て回る。なにしろ収蔵点数はルーブルの10倍の300万点もある超巨大な美術館なので、駆け足で主な展示物を見て回るだけでも2時間以上掛かった。(注:300万点といってもそれらを全て展示しているわけではない。)


ダナエ

その後にいったん解散となって2時間以上の自由時間が出来たのだけど、ボクが一番興味のあった印象派以降の作品群は最近、新しい建物に移動されていて、そこはさっき駆け足で見てきたのだけれど、なにしろ新館はまだガイドブックにも出ていない上に、いったん今の建物を出ないといけないので今更そっちへ戻る訳にもいかず、おかげであらかじめ考えていたフリータイムの予定が大きく狂ってしまった。



ここエルミタージュ美術館では他の美術館から借り出した作品展示の部屋以外は全て撮影OKなので、つい有名作品の前に立つとパチパチやってしまいがちなのだけど、そんなことをしていたらそれだけで一冊の本になりかねない。なので自分用にはエルミタージュのガイドブックを買って写真撮影は本当に気に入ったものだけにした。


モネのこの絵はとても美しい


ピカソも充実している


艶っぽい作品だ/Jean Joveneau

やっぱり個人的には印象派以降の絵画に惹かれる。特にピカソのキュビスム作品はいいね。あとはモネ、ドガ、シスラー、などはやっぱりいいなあと思ってしまう。反対に、ゴーギャンやマティスなどはいくら有名でもボクには良さが分からない。エルミタージュではこういったフランス絵画の系統はむしろ少数で、多くをしめるのはルネッサンス以降の古典的な宗教絵画だったりする。それらの中でも印象に残った作品はあるのだけど、たぶん、その値打ちほどには理解できていないと思う。 さてエルミタージュ美術館の素晴らしいところは、これらの有名作品だけではない。建物そのものというか部屋の装飾がもの凄く素晴らしいのだ。ただでさえ重厚長大なロシアでここまで迫力のある内部装飾を見てしまうと、ここの値打ちは作品なのか、その展示場所なのかと思ってしまう。素晴らしい額縁に入れると凡作でも佳作になるようなものだ。数年前に名古屋であった大エルミタージュ展 は、作品はいくら有名でも展示場所はつまらない普通の場所だったものなあ。

ここで4時半までを過ごし、バスに乗って血の上の教会を見学に向かったが、なにしろ大渋滞でバスは全然進まない。わずかな距離を移動するのに1時間半も掛けて着いた血の上の教会は、ここも大型の観光バスと世界中からの観光客で溢れかえっていた。しかもここは観光といっても外観を見るのみ。早いハナシが写真を撮ったらおしまい。なんだかねえ〜。


血の上の教会

そして川沿いのレストランでピロシキとかチキンの揚げたものとか(これは気に入った)頂いて、9時頃にホテルに戻った。ところでボクは手持ちのルーブルが無くなりかけていたのでホテルで両替できるかと思ったのだけど出来なかった。愛想のないフロントマンだ。ホテルにはVISAの使えるATMがあったのでルーブルでのキャッシングにトライしたのだけど途中から先に進めず断念。ひょっとすると時間外だったせいもあるので明朝、もう一度トライしてみよう。足りないといっても明日一日の飲み物代だけなので、あと500ルーブル(1500円くらい)もあればいいのだけど。

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