by G1X Mk2
「ブリッジ・オブ・スパイ」に続いてまたも実際にあったハナシの映画を観てきた。この映画はボストンで30年も続いたギャングとFBIと政治家の繋がりを書いて2001年に出版されたノンフィクション本を原作にしている。
実在の人物や実際にあった事件を描いているのだけど映画を見終わった感想を端的に言うと、”怖い”の一言に尽きる。現代アメリカの裏の側面なのだろうけど、とても怖いというのが偽らざる印象だ。この気分は邦題の「ブラック・スキャンダル」よりも原作本のタイトルでこの映画の原題でもある「Black
Mass」というほうが底知れぬ闇の塊というニュアンスで、その怖さをよく伝えていると思う。
この映画はR15指定になっているのだけど、それは特に残虐な描写があるからというよりは、いとも簡単に実行してしまうという暴力性向ゆえじゃないだろうか。今まで見た暴力的なシーンを描いた映画でも、この映画のように底から湧き立つような恐怖感といったものを感じたことは無かった。
戦後のアメリカ史において、ケネディ暗殺事件の真相といったようなハナシは度々出てくると、そこでは必ずFBIや政治家、実行犯といった繋がりが揶揄されるのだけど、こういった裏の闇が実際にあったと知らされると、ちょっと身震いしてしまう。銃で開拓してきたアメリカのDNAなのだろうか。