*** テキトー絵日記 ***

2016/03/14(月)

「イスラム飲酒紀行」読了

終日雨 by G1X Mk2

天気予報によれば今日が寒さの最後の底で、明日からは次第に気温が上がってそのまま桜開花の時期につながっていくでしょうということだ。是非そうあって欲しいものだ。ちょうど部屋に置いてあったファンヒーターの灯油が切れたので、これ幸いとばかりに昨日片付けてしまったからなおさらだ。まあ電気ひざ掛けとエアコンはあるのですけどね。

FBフレンドに教えてもらった本「イスラム飲酒紀行」(高野秀行)を読了した。本の帯には「イスラム国における飲酒事情を描いた”爆笑”ルポルタージュ」とある。たしかに爆笑ものだった。それに本にも書いてあるように酒を禁じるイスラム国でどうしてこんなにも多種多様の地酒があるのだ?という事実。

ボクの体験したチュニジアやトルコでの経験も交えて考えると、やはりイスラム国での禁酒というのは表裏の使い分けが非常に大きいと思う。トルコの場合、国を起こしてからというもの、ずうっと世俗主義を通していて法律とイスラムの戒律には距離を置いているはず。しかし一番イスラム普及率の高い中部のコンヤという都市では町中に酒屋というものが無い。でも隠れるようにして売っている場所はある。もちろん非合法ではないからコソコソすることもないと思うのだけど、その辺がイスラム的なのだろう。笑ってしまうのは、このコンヤの酒の消費量がトルコ一なのだそうだ。

チュニジアの場合は名産品がワインだ。スーパーに行けば日本の大型デパートと同じくらいのワイン売り場がある。でもスーパーで買えるのはワインだけでその他のアルコール類は売ってない。ビールは建物裏手のちょっと怪しい場所に行かないと買えない。

チュニジアもかつてはローマの文化圏だったわけで、するとキリスト教が普及していたはず。だとすればワインはイエスの血に通じる飲み物なのでイスラムが禁じる酒の類には入ってないのだろう。でもビールは飲みたいので建物裏でコソコソと販売している。著者が言うようにイスラムとは本音と建前が大きく離れている文化のようだ。

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