by G1X Mk2
懐かしいものを頂いた。「Cubita」、中身はキューバ産の挽いた粉のコーヒーをカチカチに真空パックしたもの。見て分かるように製品としてはクチャっとしたどこか頼りない感じとか、パックを切り離した部分のいい加減な切り口とかがいかにもキューバだ。これは親戚筋から回ってきたのだけど、誰もキューバには行ってないようなので、きっとどこかからの頂き物がさらに回ってきたということだろうか。
なぜこれが懐かしいかというと、あれは2010年、ボクがキューバに行った時に何かお土産をと思ったのはいいが、チョコレートもコーヒー豆もすぐに売り切れてしまって品不足を実感したからなのだ。ハバナ市内にある大手の土産物店でも空港のショップでもこの傾向は変わらず、ひょっとすると品不足もあるものの、それ以上に官僚的というか社会主義的な悪い側面が出ているからかもしれない。なにしろ売店のオバチャンも全てが国家公務員なので、売れても売れなくても収入は変わらないということがあるので品揃えも実にいい加減だったりする。その点、屋根のない屋台の売店は個人商店なので売り込みも真剣だし熱気も有る。こちらは値切りも出来るが、屋根のある商店ではどこも値段が一緒で値切りも出来ない。まあ逆に言うと彼女たちに値段を変更する権限がないからともいえる。
そんな品不足キューバでようやくゲットしたのがこのコーヒーだったからなのだ。それもボクの前の人が20個以上買ったら残りが10数個しかなく、それをボクが買ったら後ろの人には回らなかった。唯一キューバで豊富に出回っているものはラム酒と葉巻だけだった。そんなこんなでやっと手に入れたこのコーヒー豆だけど、成田の税関でスーツケースチェックになり、このコーヒーを見た係官がボクに「これはコーヒーですか?」とボクの顔を見ながら聞いてきたことだ。コーヒーって書いてあるでしょうが。
あれは質問というよりボクの表情の変化をチェックしていたのは明らかだ。しかしそれにしても結構露骨なやり方だったんだよねえ。そんなこんなでこの「Cubita」コーヒーは懐かしいのだった。