瀕死の蝶に襲いかかる小さなクモ with K10D
この蝶々はまだ死んでなくてバタバタと動いている。にもかかわらずこの小さな白いクモは次第に蝶々の顔のところへと間合いを詰めているところだ。さっき窓を開けたら目の前でこんな場面に遭遇した。写真は撮ったがあまり見ていたくはなかったので蝶々ごと外に放り投げてしまった。考えてみれば子供の時にいちばん好きだったのはカブトムシより蝶々で、大人になってからも一番苦手なのはクモだった。そういうこともあってか、この光景は結構ショッキングだった。
昆虫とかは姿かたちが小さいからなんとも思わないが、あれが巨大なものだったらずいぶんと怖い顔つきをしていると思う。クモなんてその典型じゃないかな。蟻とかも怖そうだ。そういえばエビとかカニなんかの顔もどアップでみるとなかなかにグロテスクだったりする。あのエイリアンもカニの仲間風じゃないか。
怖いとは感じないがセミの顔つきもずいぶんとユニークじゃないかな。眼と眼が離れているのでエスニックといってもいいかもしれない。そのセミのことで先日の新聞に面白い記事があった。それは有名な芭蕉の俳句<閑さや岩にしみ入る蝉の声>の蝉とは何蝉か?という過去にあった論争を取り上げたもので、斎藤茂吉はアブラゼミだと主張したのに対して、独文学者の小宮豊隆があれはニイニイゼミであったと反論したものだ。
アブラゼミ
ニイニイゼミ
結論から言うと、この俳句が詠まれた時期(7月中旬)場所(山形県)を考えるとこれはニイニイゼミであろうということで論争は決着しているのだけど、ボクの気持ちで言うとそれはヒグラシであったと思う。というかそうだったらいいのになあ。いかにも<岩にしみ入る>風情が感じられるのはむしろこのヒグラシだと思うのだけど。
ヒグラシ