with Q7
面白い本を見つけた。吹き出しのセリフが英語で書かれているコミック。欄外には対訳の日本語もあるので辞書を使わずとも読める。このスタイルを称して「バイリンガル版」ということになっている。
この本の面白いところはまずその内容で、帯から引用すると
「荷物は行李ひとつぶん。お供は通訳ただひとり。明治初頭、東京から蝦夷まで好奇心のおもむくままに地図なき道を旅した英国人がいた。彼女の名前はイザベラ・バード。消えゆく日本の文化を愛した、偉大なる女流冒険家!期待の新鋭・佐々木大河が描く日本発見旅行!さあ、秘境へGO!」
当時の日本の様子が細かく描かれていて普通に読んでも面白いのに、登場人物のセリフが英文で書かれていて、またその英語の文章が日本語の不自然な直訳ではなく、意訳というか自然な英文になっているので、ああ、なるほどそう言うのかと勉強にもなる。
こんな感じ
お次は先日ダウンロードして読んだ石井遊佳の「百年泥」。新聞で彼女のコラムを読んだらその文章のリズムにいっぺんで魅了されたのだけど、こんな軽妙な文章は直木賞に違いないと思い、そう紹介してしまったが実際に作品を読んでみると途中から、むむむ、こ、これはむしろ純文学では?と思い始め、改めて調べなおしてみたところ今年の芥川賞受賞作品だった。コラムを読んだ時に野坂や筒井に通じると感じた彼女のリズムはやはりその通りで、ボクはいつものように細切れに読んで一旦読了したのだけど、面白かったので文章のリズムを味わうべく再び読み直しているが、読み終わった小説をすぐにまた読み返すだなんて、こんなことは初めてだ。
25番目 金谷(かなや)
25番目の金谷宿とは大井川を挟んで嶋田宿の対岸にある宿のこと。なのでここで主題となって描かれているのもやはり大井川で遠くの山裾に小さく描かれているのが金谷宿となっている。当時は大井川が増水するとたちまち渡れなくなるので、両岸の嶋田宿、金谷宿とも大いに栄えたそうだ。