*** テキトー絵日記 ***

2018/03/02(金)

西部邁「保守の遺言」

with Q7

また本が届いた。今度のはコミックではなくて先日自裁を実行した西部邁の最後の著作だ。思想家の絶筆の書、なんていうからひょっとすると難解な内容かと身構えて読み始めたが、言い回しや用語は彼独特のものであったりするが、いわんとする内容は案外ストレートなもので遅読のボクでさえ1/3にあたる100ページほどを一気に読み進めた。

かつては全学連の中央執行委員を務め、60年安保闘争にも加わっていた彼が連合赤軍の事件などを機に深い反省とともに保守へと転向し、その後は保守としての鋭い論客であり続けたことはテレビなどを通じて良く知られている。

しかしこの本を読み始めて思うのだけど、今の日本で言う保守とか革新、あるいは右派とか左派の定義は実に曖昧なものだ。彼の言によれば親米たらんとする現政権などは保守とは言えなくなるし、またリベラルを標榜する立憲民主党などの本質はむしろ親米と言わざるを得ない。などなど。

思想家でありながらも常に現実的な視点から語ることを続けた彼が、最後に自裁という絶望に至ったのは一体どういうことかという点に強く興味がある。そしてそれが必ずしも思想的な絶望の結果ではなく、老いることへのアンチテーゼとしての自尊の結果だったらいいのにと思いながら読み進めているが、果たして本書の帯にあるような「自裁に込められた真意とは。」が解き明かされるものだろうかと疑問に思いつつ。

34番目 二川(ふたがわ)

二川宿は現在の豊橋市にあり、この猿ケ馬場という地名はここ以外に新潟などにもあるようだ。説明によればこの辺りは小松が広がる景勝地で柏餅でも有名だったそうだ。確かにこの左手の茶屋にも「名物かしハ餅」とある。

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