荒涼たる王家の谷(Kings Valley) with Q7
泊まったのは確かにクルーズ船なのだけど、実は昨日からまだ一度も動いていない。なので本当に普通のホテルに泊まっている気分だ。船は4層5階で幅が20m近くあるので客室もそれほど狭くないしバスルームもバスタブ完備だ。ビジネスホテルのツインルームよりも広いかも。という訳でまだ動いていない船ホテルを朝7時に出て今日はルクソールの西岸観光だ。朝早いのは日中の暑さを避けるためと、観光客で混み始める前に見学してしまいましょうということだった。
そして向かったのがこれも世界遺産になっている王家の谷。ここは先月まで写真撮影が禁止されていたのだけどラッキーなことに今は写真チケットを買えば撮影がOKになったことだ。ただしそのチケット代は300LE(約2000円)とカメラチケットとしては高い。ビデオカメラはもっと高いのだけど一眼ムービーなら判らないからカメラ代で済みそう。
墓の案内表示と墓の入口
さてこの王家の谷、砂と岩山の連なるものすごいところで、こんなところに歴代の王様の墓があるとは思えない。現在までに発掘されているのが62もの墓で、一番最後に見つかったのがNo62.のツタンカーメンのお墓だ。一見は荒涼とした岩山と砂の谷なのだけど、一歩、発掘された墓の入り口から中に入るとレリーフで埋め尽くされた巨大な通路がどんどん地下に延びていて、ここはどこかの博物館かと思うほどだ。通路はやがて王様の棺があった玄室に到達する。ほとんど全ての内容物は盗掘されていて、一説によると昔のルクソールの住人は盗掘されたもの売って生計を立てていたのだそうだ。
まるで建物内部のようなこれらの通路があの岩山の地下にあるという驚き
そんな中、盗掘された墓のさらに下にあったツタンカーメンの墓だけはハンターに見つかることなく発見されたので、例の黄金のマスクを始め金の財宝の数々が今の人たちに展示されることとなった。ただこのツタンカーメン王は19歳と若くして亡くなったので岩山の地下に掘られたお墓も他の王と比べるとスケールが小さい。これは急いで作る必要があったからだろうと言われている。
3400年前のままの壁面レリーフ群
王家の谷は撮影が解禁になったばかりなので、至る所に「NO PHOTO」のサインがあるが解禁になった今は本当に撮影禁止なのはツタンカーメンのお墓だけだった。ただツタンカーメンの墓ではないが、本当は立ち入り禁止の場所も監視の人が他の観光客がいないのを確認してから入れ入れとジェスチャーするので柵を越えて入って撮影したら案の定、ワイロというかチップというか袖の下というかを要求してきた。さすがはエジプトだと妙なところで感心することになった。
神聖なコブラ、首をはねた敵、ミイラのあった玄室など
次に向かったのがハトシェプスト女王葬祭殿。ここもスゴイ、砂漠を舞台にしたハリウッド映画に出てきそうな場所だ。ここでは大勢の子供たちが修学旅行みたいな感じで来ていたがアジア人が珍しいのか一緒に写真を撮らせてくれとさかんにせがまれた。エジプトは日本と同じ633制だが義務教育ではないのでルクソールのような田舎では学校に行かず早くから働く子供も多いそうだ。
王家の谷の裏側にあるハシェプスト女王の葬祭殿
ツアーはこの後メムノンの巨像を見てからナイル川名物?のファルーカ(帆掛け船)でしばしの水上散策を楽しみ13時頃にクルーズ船に戻った。遅めの昼食をしていたらいつの間にか船は出航しておりナイル川の岸辺の景色がどんどん流れていく。午後のティータイムは3時半からで、5階のオープンデッキで心地良い川風を受けながらツアー同行の人たちとノンビリとおしゃべりを楽しんだ。こういうのは本当にリラックスできる。
ファルーカ
ナイルクルーズ(船尾から)