リバーサル画質で撮ってみた by KP
正確には画質というより色合いのことなのだけど、カメラ内蔵の数あるフィルムシミュレーションモードからリバーサルを選んで撮影してみた。フィルム時代にはこのリバーサルに憧れたりもしたのだけど、それはラティテュードといって感度のダイナミクスが狭いために撮影に当たっては正確な露出が要求されるからというのと、リバーサルは主に印刷原稿として扱われるためにプロ用途という側面が強かったからだ。それと確か仕上げをDPE店に頼むのも費用が掛かったと思う。
なので実際にリバーサルを使ったのは1度か2度くらいしかなく、出来上がったものもスライド用のフィルムになっているので鑑賞するのも難しいから自然とリバーサルは諦めて普通のネガフィルムを使うようになっていったのだった。でもあの独特の色の乗り方にはちょっと憧れも持っていた。
それが今やデジタルで簡単に再現できてしまう。フジの最新機種X-T30に至ってはフィルムシミュレーションモードだけで16種類もある。さすがはフィルムメーカーだ。でもこれら16種類を全部使い分けるというより、きっと撮影者の気に入った2.3のモードを使い分けるのが実際のところなのだろうなと思う。
そういえばかつてのフィルムカメラ時代にはどのメーカーのフィルムを使うかで色合いが違っていた。主だったフジ、サクラ、コダックこの3社だけでも随分と違うものだったのを覚えている。しかしそう考えると今のデジタル写真も、それを見る液晶や、どういう光線下で見るかでかなり色味は変わっているはず。結局、少々の違いは見る側が自動的に脳内補正しているのかもしれない。やっぱりアナログのほうが上手(ウワテ)だな。